開催中の展覧会
2015年12月10日(木)〜12月23日(水・祝) 会期中無休
再興第100回院展金沢展

再興第100回院展金沢展
 

 日本美術院は岡倉天心らの呼び掛けにより1898(明治31)年、横山大観をはじめとする日本画家26人が集まり創設されました。近代日本画の歩みでは日展とともに、巨大な足跡を築いてきています。
射水市ゆかりの文化功労者である郷倉和子氏の近作など同人34点、一般からの入選作66点の合計100点が公開されます。金沢展の巡回は2012(平成24)年以来、3年ぶりです。日本美術院理事長の松尾敏男氏(文化勲章受章者)の《玄皎想》同人の福王寺一彦氏の《朝陽の中で》など、洗練された作品群をご覧下さい。

◆入場料

  当日 前売り 団体
 一 般 1,000円 900円 800円
 大学・高校生 600円 500円 400円
 小・中学生 400円 300円 200円
※団体は20名以上、当館友の会会員は会員証の提示で団体料金となります。

◆連絡先
北國新聞事業部 076-260-3581

 2階 前田育徳会尊敬閣文庫分館・第2〜6展示室 12月10日(木)〜2月14日(日)
前田育徳会
尊經閣文庫分館
第2展示室 第3展示室 第4展示室 第5展示室 第6展示室
新春を寿ぐ
新春優品選(古美術)
新春優品選
(絵画・彫刻)
干支の造形
(絵画・彫刻)
新春優品選
(工芸)

干支の造形
(絵画・彫刻)


 第1展示室 (2F)

 開館中常時展示  国宝色絵雉香炉   


 新春を寿ぐ
前田育徳会尊經閣文庫分館
平成27年12月10日(木)〜平成28年2月14日(日) 12月28日(月)〜1月3日(日)は休館
 

 今回の特集は、年末年始の休館を挟み、来年2月14日までのほぼ2か月にわたります。そこで、作品保護の観点から1月15日閉館後に一部の作品を入れ替える前・後期の構成となります。
「新春を寿ぐ」というタイトルから作品を選定するとなれば、まず干支をモティーフとしたものはおさえておく必要があります。そこで今回は、干支の申にちなみ《猿置文鞍》(江戸時代)と《白玉馬猿文鎮》(中国・明時代)を展示します。いずれも猿単独ではなく、馬と関連しているところが興味深いところですが、猿が馬を守ったり、馬の病気を治したりするという、インドから中国を経て日本に伝わったとされる信仰を反映しているようです。また、陰陽五行説から猿は水気の動物として、火災防除の役割も期待されていました。今回の2点は、これまで何度も展示されたものですが、その御利益とともに改めて注目いただきたいと思います。
続いては、「天神様」です。12月25日の終天神と1月25日の初天神は、1年の中でも盛大な天満宮の縁日であることと、今回の会期が「道真忌」を前に終了することから、《縄敷臨水天神画像》、《渡唐天神像》、《胞輪天神画像》の3点を展示します。学問の神であるとともに復讐の神でもある天神は、菅原道真の後裔と公言した加賀藩主・前田家の文化政策の重要な精神的支柱でした。さらに今回は、初釜にちなむ茶道美術や、広義の吉祥モティーフを様々なジャンルから選び、ご来館をお待ちしております。

 

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 新春優品選—古美術—
 第2展示室
  平成27年12月10日(木)〜平成28年2月14日(日) 12月28日(月)〜1月3日(日)は休館

 

 新年を迎えるにあたり、年末から年始にかけて新春にふさわしい作品を展示します。来年は「申年」で、動物にあてはめると「猿」になります。申年に因んだ作品としては、久隅守景の《猿回し図》と狩野宗益の《百鶴百猿図》です。猿は、古代エジプトや中国など世界各地で神聖なものと考えられてきました。日本でも神の使いと捉えた例があります。猿が「去る」に通じることから、難が去る縁起の良い芸として正月などに盛んに行われるようになり、大道芸として広がっていきました。また、猿は馬の守護神と考えられてきたので、厩の魔除けや厄病除けとしても重宝されました。
次に、岸駒の《兎に福寿草図》や加賀友禅の《宝船文のれん》(前期のみ展示)に代表されるような縁起の良い作品が登場します。さらには、茶道美術では野々村仁清の《梅花図平水指》(重文)をはじめ、宮崎寒雉の《福寿海尾垂釜》、《青貝福禄寿図香合》、《古赤絵金襴手仙盞瓶》のほか、茶碗や花入、香合など初釜の季節に相応しい作品を展示します。また、宋時代の精緻を極めた陶磁器の名品などを合わせて展示しますので、年末の慌しい季節ではありますが、美術館で「忙中閑あり」の一時をお過ごし下さい。
なお、展覧会の会期が長期にわたるため、前期と後期の展示替えを行います。後期の展示では、平成25年度に修復を終えた重文《西湖図》(秋月等観筆)を修復後初公開いたします。

 

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 新春優品選—絵画・彫刻—   第3展示室
  平成27年12月10日(木)〜平成28年2月14日(日) 12月28日(月)〜1月3日(日)は休館 
 

日本画、油彩画、彫刻の分野から、優品を選んでご覧いただきます。

 

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 干支の造形—絵画・彫刻—  第4・6展示室
  平成27年12月10日(木)〜平成28年2月14日(日) 12月28日(月)〜1月3日(日)は休館 
 

平成27年(2015)年もあとひと月足らずとなりました。未年の年賀状を書いたのがつい昨日のように思われるのではないでしょうか。来年はもちろん申年。そこで、今年の年末から明年にかけ、絵画と彫刻などで干支の動物たちを描いた特集展示を行います。
子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥、つまり、ねずみ・うし・とら・うさぎ・たつ・へび・うま・ひつじ・さる・とり・いぬ・いのししを、画家や彫刻家たちはどのように描き、また造形したのでしょうか。
主な作品を紹介しますと、日本画では牛を描いた中出信昭《遙か》、安嶋雨昌《牛》、虎を描いた木島桜谷《咆哮》、油絵では南政善の大作《馬並ぶ》、金石清隆《軍鶏》、田辺栄次郎《見ざる、聞かざる、言わざ
る》、これは言うまでもなく猿ですが、生き物ではありません。吉田富士夫の《トラ・トラ・トラ》、吉田のトラはかわいらしく、張子の虎のようにも見えます。
庄田常章の《竜のハナ唄》は自画像とも思えるのですが、竜の造形ともみなせ、ちょっとひねった作品です。彫刻では石川光明の《犬》、海野美盛《猪》、木村珪二には、犬をテーマとした作品が数多くあります。清水良治の《見果てぬ夢 ドンキホーテ》、長谷川八十の《軍鶏》いずれも、シャープな造形です。石川彫刻の大家吉田三郎にはウサギや犬を題材にしたものが多いのですが、山羊もまた多くあります。果たして山羊は未(羊)にいれてもいいのでしょうか。

 

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 新春優品選—工芸—    
 第5展示室
 平成27年12月10日(木)〜平成28年2月14日(日) 12月28日(月)〜1月3日(日)は休館    
 

 近現代工芸の展示室では、新春を迎えるにあたって、ふさわしい作品の数々をご覧いただきます。本稿ではその一部をご紹介したいと思います。
まずは陶芸分野、今年生誕120年を迎えた中村研一の《紅梅図皿》。中村は福岡県出身の洋画家ですが、晩年に初代德田八十吉の窯で九谷の絵付けを行いました。ふっくらとした筆線やムラのある独特の色の塗り方は洋画家ならではと思わせますが、単なる余技に終わらない出来映えです。
漆芸分野からは、吉田楳堂《堆朱手元箪笥》。堆朱とは、さまざまな色の漆を何層にも塗り重ねたあとに彫ることによって断面に色の層をみせる、彫漆という技法の一種で、表面が赤色のものを指します。本作は、箪笥の外面は朱漆で、中の抽斗部分は黄色の漆で塗られています。透かし彫りされた側面からは、黄、黒、黄、朱の美しい漆の断面を見ることができます。
金工分野では、板坂辰治《青銅器「瑞鳥」》を出陳します。板坂は金沢市生まれ。東京美術学校で清水亀蔵
や高村豊周に鋳金を学び、戦後は金沢美術工芸専門学校の教官となりました。本作は、方形を基本としながらも自由に弧を描いた躍動感のある形が特徴で、向かい合う二羽の鳩のモチーフが鋳出されています。大胆な器形で青銅器の可能性を感じさせる意欲的な作品といえましょう。
この他にも、染織、木竹工、人形の各分野から優れた作品を展示します。どうぞ美術館で、年末年始のひとときをお過ごしください。


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