新春を寿ぐ
前田育徳会尊經閣文庫分館
 平成27年12月10日(木)〜平成28年2月14日(日) 12月28日(月)〜1月3日(日)は休館
 

 今回の特集は、年末年始の休館を挟み、来年2月14日までのほぼ2か月にわたります。そこで、作品保護の観点から1月15日閉館後に一部の作品を入れ替える前・後期の構成となります。
 「新春を寿ぐ」というタイトルから作品を選定するとなれば、まず干支をモティーフとしたものはおさえておく必要があります。そこで今回は、干支の申にちなみ《猿置文鞍》(江戸時代)と《白玉馬猿文鎮》(中国・明時代)を展示します。いずれも猿単独ではなく、馬と関連しているところが興味深いところですが、猿が馬を守ったり、馬の病気を治したりするという、インドから中国を経て日本に伝わったとされる信仰を反映しているようです。また、陰陽五行説から猿は水気の動物として、火災防除の役割も期待されていました。今回の2点は、これまで何度も展示されたものですが、その御利益とともに改めて注目いただきたいと思います。
 続いては、「天神様」です。12月25日の終天神と1月25日の初天神は、1年の中でも盛大な天満宮の縁日であることと、今回の会期が「道真忌」を前に終了することから、《縄敷臨水天神画像》、《渡唐天神像》、《胞輪天神画像》の3点を展示します。学問の神であるとともに復讐の神でもある天神は、菅原道真の後裔と公言した加賀藩主・前田家の文化政策の重要な精神的支柱でした。さらに今回は、初釜にちなむ茶道美術や、広義の吉祥モティーフを様々なジャンルから選び、ご来館をお待ちしております。

 

No
指定
作品名 作者名 年代 員数
1   花鳥図 王若水 元14世紀 3幅
2   日の出に立波文陣羽織 十一代治脩所用    江戸18世紀 1領
3   猿置文鞍   正保2年(1645) 1背
4   金銀水引象嵌鐙   江戸18世紀 1双
5   雪降竹銀象嵌鐙 銘氏政作 江戸18世紀 1双
6   白玉馬猿文鎮   明14〜17世紀 1個
7   紅玉鈎文鎮   明14〜17世紀 1個
8   銅蟹文鎮   明14〜17世紀 3個
9   銅鍍金翡翠形水滴   明14〜17世紀 1個
10   角類梅花彫筆洗   明14〜17世紀 1個
11   縄敷臨水天神画像   江戸17世紀 1幅
12   青磁文字入壺   元〜明14〜15世紀 1口
13   渡唐天神像 月僊 江戸18〜19世紀 1幅
14   玳皮盞天目茶碗(梅花天目)   南宋13世紀 1口
15   名物 尼ケ崎台   明14〜17世紀 1基
16   古瀬戸茶入 銘 孫六   室町14世紀 1口
17   茶壺 銘 春の日   明14〜17世紀 1口
18   【前期】双鳳丸文様金襴(二人静金襴)   宋10〜13世紀 1枚
19   【後期】作土形花兎文様金襴(角倉金襴)   宋10〜13世紀 1枚
20   【前期】流水梅花文様緞子(織部緞子)   明14〜17世紀 1枚
21   【後期】花七宝入り石畳文様緞子(遠州緞子)   明14〜17世紀 1枚
22   【前期】縞格子文様間道(青木間道)   明14〜17世紀 1枚
23   【後期】縞に四葉段文様間道(船越間道)   明14〜17世紀 1枚
24   黒塗布目引出絵替絵具箪笥 伝五十嵐道甫 江戸17世紀 1棹
25 重文 【前期】四季山水図   伝周文 室町15世紀 6曲1双
26 重文 【後期】四季花鳥図 伝雪舟 室町15〜16世紀 6曲1双
27   秋冬山水図 伝周文 室町15世紀 6曲1隻
28   胞輪天神画像   室町16世紀 1幅
29   桃花美人図   江戸18〜19世紀 1幅
30   松下飲虎図 岸駒 江戸19世紀 1幅
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