開催中の展覧会

 
常設展示情報

 第1展示室 (2F)

 開館中常時展示  国宝色絵雉香炉、重文色絵雌雉香炉    
前田育徳会
尊經閣文庫分館

第2展示室
第3展示室 第4展示室 第5展示室 第6展示室
古九谷の誕生と展開
石川の近代彫刻家たち
友禅の名匠
水野博
日本画
構図大研究
 西洋へのあこがれ-16代前田利為侯のコレクションから-
前田育徳会尊經閣文庫分館
 平成27年2月11日(水・祝)〜3月22日(日) 会期中無休


いよいよ北陸新幹線が開業します。当館では、4月から6月にかけて、(公財)前田育徳会の特別なご協力をいただき「加賀百万石の名宝」展を予定しており、準備を進めております。その展覧会に先立ち、前田育徳会を設立された十六代前田利為侯のコレクションの中から、西洋のコレクションを紹介します。
利為侯は、明治18年(1885)、旧七日市藩前田家十二代子爵利昭の五男として生まれ、同33年(1900)に旧加賀藩前田家十五代侯爵利嗣と養子縁組を行い、同年利嗣侯逝去にともない家督を相続、利嗣侯の志を継いで本郷邸を新築し、同43年に明治天皇の行幸ならびに皇后、皇太子・同妃の行啓の光栄に与りました。さらに、大正12年(1923)の関東大震災の後、東京帝国大学の拡張計画に伴う同大学の駒場所有地との等価交換で、昭和5年(1930)に駒場邸を新築しました。陸軍士官学校を卒業ののち軍人の道を歩み、大正2年(1913)のドイツ留学に始まり、数々の国際会議に日本代表として出席、また昭和2年(1927)には駐英大使館附武官として渡欧するなど、欧州各地をたびたび視察しましたが、そうした機会に収集されたものが、今回の展示の中心です。作曲家の自筆楽譜や著名人の書簡など貴重な作品が含まれており、五代藩主綱紀の事績に深く関心を寄せた利為侯の幅広い人物像を感じていただければ幸いです。

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 古九谷の誕生と展開
第2展示室
 平成27年2月11日(水・祝)〜3月22日(日) 会期中無休


哲学者で、柳宗悦の民藝運動を支えるなど、美術工芸に造詣が深かった谷川徹三氏(1985〜1989)は、古九谷について、次のように述べています。
「古九谷の美は、一見わかりやすそうでいて、必ずしもそうではないのだ。柿右衛門には甘美な情調とともに、その色にも線にも眼に直ぐ受入れられる感覚的秩序がある。古九谷にはそういう甘美な情調も感覚的秩序もないばかりか、自由な意匠と奔放な色の配置にはどこかに硬質なものが感ぜられ、それが最初は抵抗を呼ぶのだ。やがてその美の世界に入り込むと、それは汲めども尽きぬ豊かさと、いつまでも手応えのある強さとして、われわれの心を捉えて放さぬものとなるのだが。それを私は美の高さと呼ぼう。美の高さには鑑賞者も一挙には至り得ないのだ。古九谷はその美の高さをもっているのである。」谷川徹三「古九谷の美」(集英社『古九谷』昭和46年 所収)より原文のまま引用。
いかにも哲学者ならではの深い洞察をもって、古九谷の本質を見事に捉えていると思います。そして、谷川氏の言う「美の高さ」こそが、色絵磁器という日本の新たな美術ジャンルに挑んだ加賀藩三代藩主前田利常が目指したところだったのではないでしょうか。
このように、古九谷は加賀藩の文化政策、特に文化によって天下一を目指した利常の気概なしには誕生し得なかったものであり、この精神が再興九谷以後今日まで、作家たちを鼓舞し続けています。今回の特集では再興九谷諸窯の代表作とともに、その展開の軌跡をたどります。

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 近代版画・油彩コレクション展示
第3・4展示室
  平成27年2月11日(水・祝)〜3月22日(日) 会期中無休


絵画芸術として高い水準に達した木版画である浮世絵は、明治に入り新しい印刷技術との競合で次第に衰退していきます。そうした中にあっても、小林清親等、浮世絵の伝統に新しい西洋の表現技法を取り入れ、絵画的にも優れた作品を残した絵師がいたことを忘れることはできません。また、大正期には美しい日本の木版画の衰退を憂い、伝統的版画の復活を目指して「新版画」と自画・自刻・自摺を基本とする「創作版画」が生まれ、近代版画の隆盛時代を作り上げました。今回の「近代版画」では明治に活躍した小林清親と、大正期「新版画」の創作に力を注いだ伊東深水、橋口五葉、川瀬巴水等の作品を中心にご覧頂きます。

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 石川の近代彫刻家たち
第4展示室
 平成27年2月11日(水・祝)〜3月22日(日) 会期中無休


新幹線開業を迎えるこの時期、石川県出身の作家を中心とした優品を展示し、本県の近現代彫刻を紹介します。石川県の彫刻を眺めると、先ず作家については全国的にも長い歴史を誇る県立工業学校に係る作家の活躍がみえ、戦後からは金沢美大の存在が大きな特色となっています。また各作品は様々なテーマの下に、人体から抽象まで多様な形態の作品が、ブロンズ・石膏・乾漆、また木・石・ステンレス・鉄等々の素材によって制作されていて、自由で幅広い作品が見えるものとなっています。多彩な展開を示す本県彫刻作品の数々をお楽しみ下さい。

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 友禅の名匠 水野 博
第5展示室
 平成27年2月11日(水・祝)〜3月22日(日) 会期中無休    

友禅作家としての将来を嘱望されていた水野博が、昭和54年に61歳の若さで亡くなってから35年が経ちました。遺された作品は今もなお、古びることなく私たちを魅了します。
水野は大正7年、現在の富山県砺波市で生まれ、家の事情により一家で金沢に移転しました。金沢市立森山町高等小学校卒業後の昭和8年、幼い頃から好きだった絵を生かせるということで、京都の土屋素秋の下で友禅の修業を始めました。同時に金沢出身の日本画家・池田瑞月に日本画を学んでいます。修業を終え約1年の兵役を経て金沢で独立、木村雨山の指導を受けて、日本伝統工芸展等で活躍しました。春夏の草花を主なモチーフとした、観る者の情感に訴える作品は高く評価されています。
表紙に使用した「友禅訪問着 創生」は、晩年の水野が最も好きな作品にあげたものです。昭和48年第20回日本伝統工芸展に入選した、この作品の制作時水野は55歳。すでに病に冒され、自分の余命が長くないことを知っていたそうです。死を目前にして、新たな生命を讃える作品を作り、その後亡くなるまで精力的に制作し続けたことを思うと、改めてこの才能豊かな作家の早すぎた死が惜しまれます。
今回は所蔵品の11点の内、2点を入れ替えしてすべて展示し、その魅力を充分に味わっていただきます。秋の企画展「工芸王国の実力」展に出品した、日本伝統工芸展初出品作にして、代表作でもある「友禅訪問着 蒼林の譜」は、作品保護のため会期後半、3月3日から展示します。この機会にぜひ名匠・水野の作品世界をご堪能ください。

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 日本画構図大研究 
第6展示室
   平成27年2月11日(水・祝)〜3月22日(日) 会期中無休


近代以降、日本画は時間をかけて大きな変化をみせてきました。その変化とは、テーマはもちろん画材の扱いや構図に至るまでであり、近世以前と変っていないところを探す方が難しいくらいです。今回の特集展示は、そのうち「構図の変化と工夫」に着目し、館蔵の日本画から紹介しようとする試みです。
明治までの数世紀、大きな変化を見せなかった日本絵画の構図は、近代以降の150年で大きく変化しました。それは鎖国された近世までの時代と、西洋文明を積極的に取り入れ、変貌を遂げた近代以降の文明の違いに呼応しています。では構図がどのように、何故変化したのか、いくつか例を挙げて考えてみます。
まず、大和絵などに多く見られた説明的な俯瞰(見下ろした)構図は影を潜めました。これは、絵画の記録媒体として担っていた側面が薄れてきたことや、全体を把握する作画法から部分に焦点をあてる作画法にシフトしてきた事が考えられます。
そして従来の日本絵画に多用されてきた「空間」や「間」が消失しました。様々な理由が考えられますが、西洋画の移入により、見える物は全て描き入れるようになったこと、西洋画的な構図の取り方を教育されてきたことが挙げられます。さらに床の間のある家屋が減り、軸装画の需要が減少したことは、広大な空間を生みやすい縦長な構図の作品が描かれなくなった理由といえます。
本特集では、見過ごされがちな「構図」に着目し、楽しんでいただきたく思います。

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