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美の交流史をたどる
東西の美400年展
   
会 期 平成9年6月14日〜7月7日
主 催 北國新聞社・富山新聞社
共 催 石川県立美術館
後 援 石川県・石川県教育委員会・金沢市・金沢市教育委員会・石川県美術文化協会・NHK金沢放送局・テレビ金沢・エフエム石川・ラジオかなざわ・ラジオこまつ・ラジオななお・北國文化センター
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   
 八王子市にある東京富士美術館は、1983年の創立され、日本をはじめ東洋、西洋の各国、各時代の絵画、彫刻をはじめ刀剣、メダルなどさまざまな分野の美術、約5000点を収蔵している美術館で、とりわけルネサンスからロマン主義を経て印象派、現代美術にいたる西洋絵画の潮流を一望できるコレクションは、日本でも有数の質と量を誇るものとして高い評価を受けている。
 本展は、これらのコレクションの中から、「東西の美400年」と題して西洋絵画と日本の絵画、合わせて83点を展示したもので、なかでも北斎、広重といった浮世絵、その美意識を鋭敏に感じ取ったモネ、ルノワールに代表される印象派と東西の美の交流史の一端を垣間見ることができるなど、意義のある展観であった。

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第19回日本秀作美術展
 
 
会 期 平成9年8月2日〜8月24日
主 催 読売新聞社・テレビ金沢・美術館連絡協議会・石川県立美術館
後 援 文化庁・石川県・石川県教育委員会・金沢市教育委員会
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   
 日本秀作美術展は、前年一年間に全国で開催された美術展の中から、美術専門家の選考委員が厳選した優秀作を集めて展示するもので、現代の画壇の情勢や、その水準を知る上での重要な一つの目安として発足以来高い評価と、幅広い人気を集めている展覧会である。
 今回は19回目を迎え、富山秀男氏など7名の選考委員によって日本画37点、洋画36点が選出され、そのうちの1点を除く72点が展示された。文字通り昨年の絵画部門の集大成ともいうべき展覧会であった。高山辰雄、牛島憲之といった大家から、新進作家までいずれ劣らぬ秀作を心ゆくまで鑑賞することができた。

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生誕百年記念
加藤唐九郎展
   
会 期 平成9年9月5日〜9月23日
主 催 北陸中日新聞・石川テレビ放送・石川県立美術館
協 力 翠松園陶芸記念館
後 援 石川県・石川県教育委員会・金沢市・金沢市教育委員会・NHK金沢放送局・エフエム石川
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   
 日本近代陶芸に大きな足跡を残した、加藤唐九郎の生誕百年を記念し、没後最大規模のものとして開催された。愛知県瀬戸市に生まれた唐九郎は、早くから作家として卓越した腕前と高い識見とを兼ね備えており、志野、織部をはじめとして黄瀬戸、瀬戸黒、唐津、伊賀、信楽といった古典に学びながら現代の新しい息吹を通わせた独自の作風を築き上げた。また、その研究の成果は『陶磁大辞典』の編纂などに残されている。
 今回は「永仁の壺」を含めた初期から絶作まで、陶芸作品176点に書の20点を加えた196点を展示することで、巨匠の歩んだ道のりを改めて提示した。その多彩な陶技と人間味あふれる作品世界は、多くの陶芸愛好者の関心を集めた。

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イルクーツク州立美術館所蔵
15〜20世紀のロシア美術
“イコンと絵画”
 
 
会 期 平成9年9月28日〜10月26日
主 催 文化庁・石川県・イルクーツク州・石川県立美術館・イルクーツク州立美術館
後 援 金沢市
協 力 石川県ロシア協会
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   
 本展は、イルクーツク州と石川県との文化交流の一環、並びに相互の理解と友好を深める目的で開催されたものである。
 ロシア連邦のほぼ中央にイルクーツク州は位置し、その州都イルクーツク市は、東シベリアの政治・経済・文化・工業の中心として栄えてきたところで、シベリアのパリと形容されることでもある。イルクーツク州立美術館は、約一万六千点以上の所蔵品を誇り、最も充実しているのが15世紀から20世紀のロシア美術の部門である。
 本展は、その中核となっているロシアの文化の成立と展開を知るうえで貴重なイコンや木彫聖像、装飾工芸品、あるいは伝統を保持しながらも西欧の影響を吸収したロシア絵画の新しい開花期と円熟期を飾る18世紀から20世紀における肖像画や風景画、風俗画など、151点を一堂に公開したが、そのうち半数以上がイコンであり、この展覧会をより特徴づけたといえよう。

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日本のわざと美
重要無形文化財とそれを支える人々

 
会 期 平成10年1月4日〜2月1日
主 催 文化庁・石川県教育委員会・石川県立美術館
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   
 わが国の優れた伝統的工芸技術として重要無形文化財に指定された陶芸・染織・漆芸・金工・木竹工等の「わざ」と、選定保存技術に選定された、工芸技術の表現に欠くことのできない用具の製作や材料の生産等の技術・技能を、全重要無形文化財保持者・保持団体の作品173点と選定保存技術18件の関係資料、写真パネルなどで総合的に紹介する展覧会で、このような、重要無形文化財と選定保存技術をあわせて紹介する展覧会はこれまでに例がなく、内容の充実した展覧会であった。
 重要無形文化財が、工芸部門と芸能部門の二部門からなるということの普及のためにもと、重要無形文化財「組踊」保存会会員を中心メンバーとして開催した「沖縄古典芸能公演とお話」は好評であったし、また、無形の「わざ」を実際に見てもらうということで開催した「製作実演 重要無形文化財 久留米絣」では、一般のお客様とともに、織をしている専門家の方々も来場され、いろいろな質問が出るなど、盛況であった。

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