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仙叟宗室居士三百年忌記念
仙叟宗室
−人と茶の湯−
   
会 期 平成8年4月26日〜5月19日
主 催 石川県立美術館・茶道資料館
後 援 北國新聞社・北陸放送
協 賛 今日庵・茶道裏千家淡交会
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   
 加賀藩ともゆかりの深い、裏千家四代仙叟宗室の没後三百年を記念して開いた春季の特別展で、京都の茶道資料館との共同企画により開催した。
 千家三代宗旦の四男として生まれた仙叟は、慶安4年に小松城内の三の丸に屋敷を賜り前田利常に仕え、後、利常と宗旦が亡くなると、金沢の味噌蔵町に屋敷を与えられ、金沢と京都の間を往復した。そして、前田綱紀の茶堂茶具奉行として、また多くの茶会を開き、大樋長左衛門や宮崎寒雉を指導し、好みの道具を作らせた。
 本展はこのような仙叟に関する関係の文書や、ゆかりの道具を一堂のもとに公開、仙叟の求めていた侘びの世界の認識とその理解を深める目的で「利休・宗旦と仙叟宗室居士」「仙叟宗室居士」「仙叟の活躍したころの加賀の美術工芸」の三品の柱で構成、三百年忌記念を飾るに相応しい内容となり、全国から大勢の来館があった。

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ミレーとバルビゾン派展
 
 
会 期 平成8年9月4日〜9月23日
主 催 北陸中日新聞・石川テレビ放送・石川県立美術館
後 援 石川県・石川県教育委員会・金沢市・金沢市教育委員会・NHK金沢放送局・エフエム石川
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   
 ジャン・フランソワ・ミレーは日本で最も親しまれている作家の一人であり、「晩鐘」「落ち穂広い」など農民画の巨匠として知られるバルビゾン派の中心人物でもある。
 本展では、ミレーの油絵やパステル画、素描など約30点を中心に、コロー、ルソー、ディアズ、デュプレ、トロワイヨンらバルビゾン派の画家たちの作品、また同時代のクールベ、ドーミエら写実派の画家、計37名、全78点の作品を、「先駆者たち」「ミノーの世界」「バルビゾン派の仲間たち」「残照・印象主義への道」という4つの部門に分けて展観した。

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−没後10年−
高光一也展
   
会 期 平成8年9月28日〜10月27日
主 催 石川県立美術館
後 援 北國新聞社・北陸放送
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   
 本県を代表する洋画家高光一也氏が亡くなって10年になることから、没後10年を機に、学生時代の初期作品から最後の展覧会発表作まで約百点の油絵により、高光芸術の全貌と特質を改めて見つめるものであった。多くの画家が中央に制作の場を求めて上京したのに対し、地元金沢に終始在住し、創作活動を展開した高光氏の歩みは、後進の作家にとって大いなる指針となった。鋭敏に時代を感応しつつ新しい人物像を追い求めたその作風の変貌は、まさに昭和の具象絵画を語るにふさわしく、ことに華麗な色彩と光の効果を遺憾なく取り入れた女性像は、日本人の油彩表現として高い評価を得てきた。
 ほぼ10年を単位に移りゆく高光氏の旺盛な探求心が明らかにされたばかりでなく、それぞれのスタイルで高い到達点を見せる作品に堪能させられた展観であった。

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小堀遠州三百五十年大遠諱記念
数寄大名 小堀遠州の美学
「綺麗さび」展
 
 
会 期 平成9年1月4日〜2月4日
主 催 石川県立美術館・数寄大名小堀遠州の美学「綺麗さび」展実行委員会
後 援 外務省・文化庁・小堀遠州顕彰会・北國新聞社
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   
 加賀藩三代藩主前田利常、四代藩主光高と親交のあった数寄大名小堀遠州の没後三百五十年を記念して開催した冬季の特別展であった。
 小堀遠州は、千利休・古田織部という茶道の本流を受け継ぎながらも、そのめざした心は王朝の雅の世界を根底とする新たなる「綺麗さび」という幽玄・有心な美の体系であった。また、徳川将軍家の茶道指南役や幕府の作事奉行、また後水尾天皇をはじめとする寛永文化サロンの中心的人物としても活躍し、茶の湯から作庭、建築造営にいたるまで数寄を極め、今日でも、茶の湯を学ぶ者ばかりでなく、建築家や美術工芸家の手本となっている。
 本展は遠州愛蔵の名品を「遠州の好んだかたち」「遠州の好んだいろ」「遠州の世界」「遠州の書」という四つのテーマで構成、遠州の美学に触れるまたとない機会であり、好評を博した。

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昭和・平成の大修理落成記念
加賀藩二代藩主前田利長の菩提寺
瑞龍寺展

 
会 期 平成9年4月26日〜5月18日
主 催 石川県立美術館
協 力 瑞龍寺
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   
瑞龍寺は、慶長19年に亡くなった加賀藩二代藩主前田利長の菩提寺である。その冥福を弔うため三代藩主前田利常が、利長の建てた法円寺を大々的に改装し、規模も拡大して建立したもので、高岡市関本町に所在する。利常は、瑞龍寺に利長の命日ごとに書跡や絵画・工芸品などを寄進し、それらは加賀藩の高い文化水準を物語り、その多くは国や富山県、高岡市の文化財に指定されている。
 平成8年3月、十年余りの歳月をかけた伽藍の修理・復元が完成し、創建当初の姿にほぼ甦り面目を一新したが、本展は、それを記念し開催したものである。内容は、「前田利長」「瑞龍寺の建立と伽藍の整備」「前田利常を中心とした瑞龍寺寄進の宝物」の三つの柱で構成、109点を公開した。

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