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野々村仁清展
−江戸時代 京焼色絵の大成者−
          
   
会 期 平成4年9月26日〜10月18日
主 催 石川県立美術館・MOA美術館
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   
 当館の第1展示室に常設展示となっている国宝「色絵雉香炉」、重文「色絵雌雉香炉」の作者として広く知られている京焼色絵の祖である野々村仁清にスポットをあてた展覧会で、熱海市のMOA美術館との共同企画により実施した。
 MOA美術館は国宝「色絵藤花文茶壺」を所蔵し、互いに仁清の国宝を所蔵しているという共通性から、両館の間で多年にわたり練られてきたもので、国宝、重文を含む仁清の代表作品123点に陶片を加え、126件で構成した。
 仁清単独の展覧会としては、作品の内容・規模ともにかつてないものとなり、今後開催不可能とさえいわれた。
 会期中、全国から熱心なやきものファン・研究者・茶道関係者の方々が多数訪れ、展覧会図録が会期半ばで売り切れるほどであった。

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マリー・ローランサン展
 
 
会 期 平成5年1月4日〜1月31日
主 催 読売新聞社・テレビ金沢・美術館連絡協議会・石川県立美術館
後 援 文化庁・石川県教育委員会・金沢市教育委員会
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   
 今世紀が生んだ最も優れた女流画家の一人と評されるマリー・ローランサンの習作時代から円熟期にいたる画業の全貌を振り返る展観であった。
 信州蓼科高原のマリー・ローランサン美術館の協力により、その所蔵品の中から油彩、水彩、版画、デッサンなど155点が展示された。
  美しく、はかなく、雅やかで品がよく、ほのかな官能美のただよう世界は、叙情性を好む日本人と相通ずるものがあり、古くから日本人に親しまれ、幅広い愛好家を持っていたが、その妖精的な雰囲気と詩情あふれる世界は、多くの鑑賞者を魅了し、特に女性や若い人たちに人気のある展観であった。

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屏風絵の美
   
会 期 平成5年2月4日〜2月24日
主 催 石川県立美術館
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   
 館蔵品と本館の寄託品の屏風絵の中から「琳派」「狩野派」「諸派」という三部構成により19点を展示した。
 室町時代から江戸時代は、屏風絵が著しく発展した時期であり、さまざまな流派や、表現形式が誕生した。「琳派」「狩野派」は、その中でも最も広く愛好されたものといえる。
 今回はそれらの流派を展示室ごとにまとめ、流派内での共通点や、個々の画家の個性、また他流派との根本的な相違点などを立体的に紹介した。
 今回初めて公開されるものや、資料的にも注目されるものもあり、好評を博した展観であった。

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文化功労者顕彰・傘寿記念
浅蔵五十吉の世界展

 
会 期 平成5年2月27日〜3月29日
主 催 石川県立美術館・石川県美術文化協会
展示室 第5展示室使用
   

 本年度、文化功労者に選ばれ、傘寿を迎えた浅蔵五十吉氏の初期から最近までの46点に、陶壁の写真パネル8枚を加え、その歩みをたどるべく展示した。
 わが国陶芸界の重鎮として活躍中の浅倉氏は、初代徳田八十吉・北出塔次郎に師事した後、昭和21年第1回日展に初入選以来、順調に実績を重ね、52年日展内閣総理大臣賞、56年日本芸術院賞を受賞。59年に日本芸術院会員に推挙され、本年度文化功労者の栄誉に輝いた。
 長い歴史と伝統を誇る九谷焼の流れを受け継ぎながら、意匠・技法・形態それぞれに新たな工夫を行い、現代感覚を生かした独自の作品世界を切り開いており、重量感あふれる豪快な浅倉九谷の世界に来館者たちは固唾をのんでその美を堪能した。

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開館10周年記念特別展
−五島美術館所蔵−
茶道美術名品展
   
会 期 平成5年4月24日〜5月16日
主 催 石川県立美術館・五島美術館
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   
 本展は、開館10周年を記念した春の特別展で、東京都世田谷区にある五島美術館の特別の協力を得て開催することができた。
 五島美術館は、東急電鉄の創始者で、実業家で文化人としてもよく知られた故五島慶太氏が、半世紀をかけて収集した日本と東洋を中心とする古美術のコレクションで知られているが、今回は数多いコレクションの中から、茶道具だけを選び出し、国宝2点、重要文化財20点、重要美術品7点を含む、合計157点を一堂に展示することができた。
 茶人ならずとも、一般美術愛好家垂涎の名品のオンパレードとなり、特に国宝「山門疏 無準師範」 「餞別偈 古林清茂」や重要文化財「古伊賀水指 銘破袋」 「鼠志野茶碗 銘峰紅葉」のまわりには、常に鑑賞者でにぎわっていた。
 図録も好調な売れ行きで、最終日を待たずして売り切れ、石川県における茶道具人気の高さを再認識させられた展覧会であった。

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