本年度、文化功労者に選ばれ、傘寿を迎えた浅蔵五十吉氏の初期から最近までの46点に、陶壁の写真パネル8枚を加え、その歩みをたどるべく展示した。 わが国陶芸界の重鎮として活躍中の浅倉氏は、初代徳田八十吉・北出塔次郎に師事した後、昭和21年第1回日展に初入選以来、順調に実績を重ね、52年日展内閣総理大臣賞、56年日本芸術院賞を受賞。59年に日本芸術院会員に推挙され、本年度文化功労者の栄誉に輝いた。 長い歴史と伝統を誇る九谷焼の流れを受け継ぎながら、意匠・技法・形態それぞれに新たな工夫を行い、現代感覚を生かした独自の作品世界を切り開いており、重量感あふれる豪快な浅倉九谷の世界に来館者たちは固唾をのんでその美を堪能した。