太古以来、土と炎が生み出す焼き物は、人類の生活にとって不可欠の道具です。そして原始時代から、人々は焼き物に単なる「用」のみならず、「美」を追求してきました。中国の陶磁は、八千年の歴史を持つと言われています。それは、たゆまぬ技術革新と新たな美的価値開拓の歴史であり、世界の陶磁史をリードしてきました。
日本の陶磁も、奈良時代の三彩から近代の色絵磁器に至るまで中国陶磁の影響を強く受けている上に、室町時代に書院における室礼が形式化されると、中国陶磁を賞翫する独自の美意識が確立されました。このため、日本には諸国に較べて中国陶磁の名品が数多く伝来しています。
本展は、美術品収集家としても知られるイセ食品グループ会長、伊勢彦信氏のコレクションから、中国の新石器時代から、戦国、漢、六朝、北魏、唐、宋、元、明、清の時代の陶磁器の名品を選りすぐり、その他の作品を若干加えた重要文化財二点を含む約120点を一堂に公開するものです。伊勢氏の中国陶磁コレクションは質の高さで国内外から高く評価されていますが、これまでその全貌が公開されたことはありませんでした。今回は、一部の研究者のみが知っていた「幻のコレクション」が初めて一挙に公開される貴重な機会となります。
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緑釉獣環壺
漢時代 1〜3世紀 |
白地黒掻落し牡丹唐草文瓶
磁州窯
宋時代 11〜12世紀 |
重文 青磁鉄斑文柑子口瓶
龍泉窯
元時代 13〜14世紀 |
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青花龍唐草文盤
明時代 16世紀 |
重要美術品 法花蓮池水禽文瓶
明時代 15〜16世紀 |
重文 五彩金襴手花鳥文瓢形瓶
明時代 16世紀 |
主な展示作品 |
指定等区分 |
名 称 |
時代等 |
重文 |
青磁鉄斑文柑子口瓶龍泉窯 |
元時代(13〜14世紀) |
重文 |
五彩金襴手花鳥文瓢形瓶 |
明時代(16世紀) |
重美 |
法花蓮池水禽文瓶 |
明時代(15〜16世紀) |
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緑釉獣環壺 |
漢時代 1〜3世紀 |
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三彩蓮花文三足盤 |
唐時代(7〜8世紀) |
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青白磁瓜形水柱 景徳鎮窯 |
北宋時代(11〜12世紀) |
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白地黒掻落し牡丹唐草文瓶 磁州窯 |
北宋時代(11〜12世紀) |
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白磁印花柘榴唐草文碗 定窯 |
北宋時代(11〜12世紀) |
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青磁輪花鉢 南宋官窯 |
南宋時代(12〜13世紀) |
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紫紅釉稜華盆 |
金〜元時代(13〜14世紀) |
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青花龍唐草文盤 |
明時代(16世紀) |
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五彩有平文角徳利 天啓赤絵 |
明時代(17世紀) |
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黄釉輪花盤 |
清時代・雍正在銘(1723〜25) |
開館時間 |
午前9時30分−午後6時
※入場は閉場時間の30分前まで
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休 館 日 |
なし、会期中無休 |
主 催 |
石川県立美術館 イセ文化財団 |
後 援 |
北國新聞社、朝日新聞社、中華人民共和国駐日本国大使館 |
関連事業 |
◆ギャラリートーク ※展覧会観覧料が必要です。
会期中の毎週日曜日
・4月22日・29日・5月6日:午前11時〜
・5月13日午後2時〜
会場/企画展示室
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◆土曜講座 ※聴講無料 美術館講義室
「中国陶磁と日本の美意識」
担当/村瀬博春担当課長
日時/5月12日(土)午後1時30分〜
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お問い合わせ |
石川県立美術館 076-231-7580 |
観覧料 コレクション展示もご覧になれます
観 覧 料 |
一 般 |
大 学 生 |
高 中 小 生 |
個 人 |
1000円 |
600円 |
300円 |
団 体 |
800円 |
500円 |
200円 |
※団体は20名以上。県立美術館友の会会員は団体料金でご覧になれます。 |
中国陶磁名品展カタログ
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完売
サイズ:29.7cm×21.2cm
ページ数:162ページ
あいさつ
図版 カラー132ページ
中国陶磁の流れ・・・・・嶋崎 丞
年表
地図
出品目録
英文作品リスト
編集発行:石川県立美術館
発行年度:2012年度
価格:2,000円(税込) |
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