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村田省蔵作 春めく 平成10年 第30回改組日展 内閣総理大臣賞
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村田省蔵氏は昭和4年(1929)金沢市に生まれ、金沢美術工芸専門学校(現金沢美術工芸大学)の第一期生として油彩画を学び、高光一也、宮本三郎の薫陶を受けました。在学中より日展、光風会に入選し、卒業後、洋画家として立つことを決意して上京、小絲源太郎に師事し、風景画を主軸に制作に励みます。日展を発表の場とし、平成18年日本藝術院会員に推挙されました。
学生時の「診療室の女医さん」や「黄衣」からうかがえる卓抜な描写力と師・小絲に鍛えられた深い色彩を両輪とする村田氏の作品には、美しい自然を賛美して描くものと、近景をクローズアップし、自己の感興や思いを述べるものとがあります。
北海道のなだらかな起伏と黄や・緑・紫の色面で構成される作品を前者とするならば、近年の稲架木(はさぎ)を描く作品は後者で、幹の枝が切り落とされ、頭頂に曲がりくねった梢が繁茂する稲架木は、一人の人間のようにも見えます。冬の田圃に雪をかぶって立つもの、春先に今秋の実りを待つもの、それぞれに個性や喜怒哀楽が託され、これまでの人生を一本一本の稲架木に託して描いているかのようです。
村田氏はこの稲架木が立ち並ぶ景色を新潟の旧岩室村(現新潟市)で見て、強く心惹かれたのでした。
本展では学生時代の自画像や婦人像などの人物画から、金沢の家並みや、シリーズとなった北海道の色彩溢れる風景、そして新潟の稲架木が立ち並ぶ風景など、94点の油彩作品を一堂に会し、たゆまずに深まる村田省蔵氏の詩情と造形美の世界をご覧いただきます。
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診療室の女医さん 昭和24年 北國新聞社蔵 黄衣 昭和25年 |
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箱根新涼 昭和43年 第11回日展菊華賞 午後の町 昭和47年
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雪明け 昭和51年 第8回日展 金沢市蔵 ヴェネチヤの赤い館 昭和57年 松岡美術館蔵
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丘 平成4年 第24回日展 春耕 平成17年 第37回日展 恩賜賞・日本芸術院賞
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