特集 没後25年 高光一也展  第3展示室
  平成23年11月23日(水・祝)〜12月23日(金・祝) 会期中無休         
     
 
高光一也作馬に凭るB
 
 
高光一也作 馬に凭る(B)
 
     
 

 高光一也氏の没後25年に際し、当館所蔵品を中心に回顧展を開催します。氏の60年に及ぶ画業の歩みは、写実を根幹に、大正末から昭和末までの各時代のモードを鋭敏に取り入れて展開したものでした。
 この時代に写実で人物を描く画家は、時代の波に翻弄され続けました。戦時中は従軍画家として徴用され、戦後は欧米から押し寄せた抽象美術の波に、写実との折り合いに格闘することになります。こうした中で、高光氏はほぼ10年を一区切りに作風を築き上げていったのでした。
 
 高光氏は明治40年1月に金沢市北間町の専称寺住職高光大船の長男として生まれました。昭和7年、帝展初入選を機に寺を継ぎ、僧侶と洋画家の二つの道を歩むことを決意します。画業のテーマが裸婦と女性像で、いずれも屈託のない明るい表情を見せ、健康美に溢れたものであることは、生きる道を説く僧侶としての氏の思想が形となって現れたものといえましょう。
 
 本特集では30点の油彩作品により、氏の画風を「戦前・戦後の写実期」「抽象美術への対応期」「写実の復活期」「各時期の融合期」、この4期に分けて展示いたします。
 幅広い高光氏の画業の歩みを、この機会にぜひご覧ください。
 

 
     
ミシン台の婦人  秋Ⅰ
ミシン台の婦人 昭和8年 当館蔵    秋Ⅰ 昭和11年 県立工業高校蔵
裸婦  子供と裸婦
 

       裸婦 昭和27年 当館蔵          子供と裸婦 昭和30年 当館蔵         

 
 
ヴァイオリンを持つ  カサブランカ
 
 

       ヴァイオリンを持つ 昭和40年 当館蔵   カサブランカ 昭和50年 当館蔵         

 
 
ポイント高光一也氏年譜へポイントポイントポイント
 
     
作品名 制作年 初出展覧会
1 自画像 大正13年(1924)  
2 ミシン台の婦人 昭和8年(1932)  
3 秋 Ⅰ 昭和11年(1936) 昭和11年文展鑑査展
4 辞を聴く 昭和13年(1938) 第2回文展
5 画室にて 昭和21年(1946) 第2回日展
6 鏡の前の裸婦 昭和26年(1951)  
7 立つ裸婦 昭和27年(1952) 第7回日展
8 裸婦 昭和27年(1952) 第38回光風会展
9 裸婦 昭和29年(1954) 第40回光風会展
10 二人(壷を持つ女と) 昭和29年(1954)  
11 子供と裸婦 昭和30年(1955) 第11回日展
12 臥裸婦 昭和30年(1955)  
13 裸婦 昭和31年(1956) 第42回光風会展
14 娘の像 昭和31年(1956) 第12回日展
15 千芽礼賛 昭和32年(1957) 第43回光風会展
16 娘の像 昭和32年(1957) 第43回光風会展
17 寝台の裸婦 昭和32年(1957) 第13回日展
18 聖セバスチャンの殉教 昭和33年(1958) 第1回新日展
19 母子 昭和34年(1959) 第45回光風会展
20 雪人夫 昭和38年(1963) 第49回光風会展
21 黒いカーディガン 昭和39年(1964) 第50回光風会展
22 ヴァイオリンを持つ 昭和40年(1965) 第51回光風会展
23 黒い服の婦人像 昭和45年(1970) 第56回光風会展
24 フードの女Ⅰ 昭和47年(1972) 第4回改組日展
25 和伎母一隅 昭和49年(1974) 第60回光風会展
26 アラブの旅 昭和50年(1975) 第61回光風会展
27 カサブランカ 昭和50年(1975) 第7回改組日展
28 ポンペイの旅Ⅱ 昭和51年(1976)  
29 馬に凭る(B) 昭和55年(1980) 第66回光風会展
30 チュールリー公園にて 昭和61年(1986) 第18回改組日展
 
通路
1 森の精 昭和34年頃(c.1959)