特集 田井淳展 −無限の中へ− 
 第3展示室
  平成21年11月29日(日)〜12月23日(水祝) 会期中無休     
 
田井淳展ポスター
 
     
   本展は洋画家 田井 淳氏が'昭和53年に描いた「風に吹かれて(静かなる出航)」から、平成5年以降の「遠い影」シリーズをへて、本年独立展出品作「遥かの国へ」などの直近の作品まで、30年間の創作の歩みをご覧いただくものです。
  田井氏は51年に金沢美術工芸大学油絵科を卒業、東京の創形美術学校造形研究科に学んで、53年に同校を修了します。金沢に帰ってからの田井氏の活動は、地盤のない金沢に「独立美術協会」の種をまくという難業で、美大の有志を引き連れ、富山・福井・新潟を交えて活動の幅を広げていきました。
  岩肌を思わせる背中の群像を描く「遠い影」シリーズを中心に、前後三期に本展は構成されます。前期は「独立美術協会」を金沢に根付かせようと奮闘する時期と重なり、様々なスタイルの変遷が目を引きます。中期は「遠い影」の群像がゆったりと歩みを進める時期、地から這い出した男女の群像が揺れるようにうごめき、やがて、後方の穴へと向かい始め、四方から集結してきた背中は川のように連なり、虚空を越えて現世への誕生を待つのです。そして、後期である近作は、愛し合う男女が憩う姿を淡い青緑色の世界に描き出されるのですが、あたかも「遠い影」の背中の群れが虚空を抜けて楽園に生まれ変わったかのようです。
  背中というひとつの素材に大きなテーマを持って育んでいく、田井氏の画業をぜひご覧下さい。
 
 
 
風に吹かれて 遠い影
 
 

風に吹かれて(静かなる出航) 1978年       遠い影 '94-Ⅱ 1994年   

 
     
 
ポイント田井淳氏略歴へポイントポイントポイント
 
     
 
講演会
 12月5日(土) 午後2時〜 聴講無料  
     講師:田井 淳 氏(洋画家 独立美術協会会員)   
     会場:美術館ホール  

田井 淳 −無限の中へ− 出品作品
作品名   制作年 初出展・受賞・会場
1 風に吹かれて(静かなる出航) 昭和53 1978 いるべ展・横浜県民ギャラリー
2 昭和53 1978 第46回独立展・東京都美術館
3 向こう側の世界 昭和56 1981 個展・ギャラリー桧
4 I can feel 昭和57 1982 第2回起点・金沢市観光会館
5 分身Ⅰ 昭和59 1984 石川県作家選抜美術展・石川県立美術館
6 遠い影 Ⅱ 平成5 1993 第61回独立展・野口賞・東京都美術館
7 遠い影 '94-Ⅱ 平成6 1994 第62回独立展・独立賞・東京都美術館/第38回安井賞展・セゾン美術館
8 遠い影(永遠の命) 平成8 1996 第64回独立展・東京都美術館
9 一千の生命 平成9 1997 第65回記念独立展・東京都美術館
10 無上の場所 平成13 2001 個展・大阪府立現代美術センター
11 遠い影−無上の場所− 平成16 2004 第14回独立DO展・石川県立美術館
12 虹の星 平成18 2006 個展・日本橋高島屋
13 虹の星 平成18 2006 個展・日本橋高島屋
14 曙光 平成18 2006 第74回独立展・国立新美術館
15 東雲 平成19 2007 第75回記念独立展・国立新美術館
16 夢路 平成20 2008 第76回独立展・国立新美術館
17 遙かの国へ 平成21 2009 第77回独立展・国立新美術館

コレクション展示 (油彩)
第3展示室
  作者名 作品名 制作年 初出展覧会
1 円地信二 アンティックの部屋 平成2年 第22回改組日展
2 北濱 淳 ベニスの壁 昭和59年 第16回改組日展
3 清水錬徳 パラダイス 昭和14年 第9回独立展
4 高光一也 馬に凭る(B) 昭和55年 第66回光風会展
5 竹沢 基 若い客 昭和57年 第14回改組日展
6 前田さなみ 見透せぬ窓 平成10年 第66回独立展
7 松本 昇 聖職者 平成16年 第36回改組日展
8 南 政善 印度の女 昭和31年 第12回日展
9 宮本三郎 裸女達に捧ぐ 昭和44年 第23回二紀展
第4展示室 
  作者名 作品名 制作年 初出展覧会
1 大場吉美 コレクション・囲まれた男 平成13年 第47回一陽会展
2 鴨居 玲 1982年 私 昭和57年  
3 高光一也 森の精 昭和34年  
4 開 光市 装置 平成1年 第63回国展
5 宮本三郎 加賀獅子舞 昭和34年  
6 村田省蔵 双樹 昭和55年 第12回改組日展

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