2006年1月4日(水)〜2月5日(日) 会期中無休
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●黒の迷宮 〜凝視の刻〜 木下晋・小林敬生・日和崎尊夫
                         第7・第8・第9展示室

 黒はひと色で世界を表現しうる唯一の色です。
 黒から紙の白への無限のグラデーションは、モノクロ写真のようにリアルな世界を描くこともできますし、水墨画のように思惟に富んだ精神世界を描くこともできます。
 色はそれぞれ、ある特定の感情を見る者に喚起させます。しかし、色味をのぞいて無彩色の明暗の階調に世界を置き換えればどうでしょう。そこには客観性が生じ、幅広い表現を得ることが可能となります。この点黒は他の色とは性質を異にする、特殊な色といえましょう。
 
 本展は、黒を用いて、人が視ることの限りを尽くし、そして描き込んだ、凝視の世界をご覧いただくものです。  
  9Hから9Bまでの20種の鉛筆を駆使して人間を描きつづける木下 晋、木口木版で、微細なそして暗示に満ちた不可思議な世界を展開する日和崎尊夫と小林敬生、この三人の黒線が織りなす細密描写の魔宮は、写実と幻視の両洋にそびえ立ち、視る者に驚嘆と畏怖の念を起こさせます。
 
  視覚情報が満ちあふれ、ややもすれば視ることが惰性に流れがちな現代に、彼らの凝視の世界は、視ることは考えることであり、意志を伴うものであることを、強烈に語りかけるのです。本展を機に、視ることの意味を再確認いただければ幸いです。


作家紹介


■会期中のイベント

◆木下晋氏・窪島誠一郎氏(信濃デッサン館館主)の対談(入場無料)
日 時:平成18年1月8日(日)午後1時30分〜
場 所:石川県立美術館ホール
演 題: 「生命の炎を、みる」


◆小林敬生氏講演会(入場無料)
日 時:平成18年1月22日(日)午後1時30分〜
場 所:石川県立美術館ホール
演 題: 「私と木口木版、そしてヒワさんのこと」

◆学芸員によるギャラリートーク(観覧料必要)
日 時:1月15日、29日、2月5日、いずれも日曜午前11時〜
場 所:企画展示室


 

黒の迷宮展

黒の迷宮ちらし


木下作品

木下晋 憧憬 ペンシルワーク
小林作品


小林敬生 蘇生の刻 S62-8 木口木版画
日和崎作品

日和崎尊夫 海渕の薔薇
木口木版画

 
 ◆観覧料=一般800円 (600円) 大学生600円 (400円) 高中小生200円 (100円)
                    (  )内は20名以上の団体料金
   
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