●特別陳列 日本画家 百々俊雅の世界
昭和14年、大阪市に生まれた百々氏は、高校生の頃、雑誌で京都の日本画家・西山英雄氏の躍動感あふれる絵に出会って感動し、絵の道に進みます。
34年に金沢美術工芸大学美術学科絵画専攻日本画に入学して研鑽を積み、在学中に現代美術展で最高賞を受賞したり、全関西展に出品するなど、活発に制作活動を行っていきました。
38年に卒業した後、一時期、朝日新聞大阪本社広告部デザイン室に勤めながら制作を続けて、46年には日展に初入選しています。
その後、52年に、当時金沢美術工芸大学で教鞭を執っていた西山氏に誘われて母校に赴任することになり、以来、平成16年まで熱意を持って後進の育成にあたりました。その間、平成元年には日展で特選を得るなど、日展を中心に作品を発表、自己の画風を着実に形成していったのです。
百々氏のモティーフは、主に現代に生きる女性であり、作者の身近に接した豊かな自然や、現代都市の営みを背景にして、鮮やかな色彩と装飾的な構成によって、華麗でしなやかに表現されています。中には、母子の麗しい情愛を感じさせる作品もみられ、作者の暖かいまなざしや生きる喜びが、画面から伝わってくるようです。
本展は、百々氏の代表作を一堂に展示し、その画業を振り返るとともに、氏の華やかな現代の女性美の世界をご覧いただこうとするものです。
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