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学芸員コラムColumn

2017年6月13日展覧会#29 謎多き画家 池田瑞月 その2

池田瑞月《鶺鴒之図》個人蔵

木島櫻谷《鶺鴒之図》部分、個人蔵

 不明な点の多い池田瑞月の人生において、もっとも知りたいことのひとつは「金沢で、誰を師匠として絵を学んだか?」ということです。瑞月が京都の木島櫻谷(このしま・おうこく)に入門したのが明治38年、28歳ごろとわかっています。その後、地元金沢で若手画家による「青々会」や「金城画壇」の結成に携わっていますが、それ以前の足取りがつかめていません。28歳になるまで、誰にも付いていなかったということは考えにくく、いずれクリアしたい難問です。
 さて、瑞月が入門した当時、師の木島櫻谷は28歳。今尾景年門下の中心的存在、実力派の青年画家でした。景年のもとから独立し、画壇で活躍していたとはいえ、なぜ同い年の櫻谷に弟子入りを決意できたのでしょうか。大きな謎です。(学芸専門員 前多武志)

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