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学芸員コラムColumn

2016年10月11日展覧会#016 大小大小中中大

 砂張銅鑼このタイトル、何のことだかわかりますか?これは、銅鑼の鳴らし方なのです。銅鑼というとジャーンと大きな音を鳴らす姿を想像しがちですが、今回展示しているのは、お茶道具としての銅鑼。茶事において、いったん席を立ったお客さんたちに、次の準備が整ったことを知らせる合図として使われます。銅鑼の中心にあるおへそを、やや下方からやさしく「大小大小中中大」と打つのです。使われるのは砂張(さはり)という合金で、銅に錫や銀を混ぜて作られています。この砂張は古来より、よい音を出すことで知られ、仏具の鈴などに用いられてきました。

 初代魚住為楽は、茶道具としての銅鑼を芸術の域にまで洗練させた人物。見た目の美しさと音色のすばらしさを見事に両立させています。その音色をお聴きいただくことは、残念ながらできませんが、砂張特有の青黒い鈍い光を放つその姿を、ぜひご堪能いただきたいと思います。(中澤菜見子)

追記:砂張銅鑼の音色は、館内設置のPCから「ビデオギャラリー」にてお聴きいただくことができます。雰囲気は感じていただけるかと存じます。

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