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学芸員コラムColumn

2022年3月11日その他#68 美術館のお仕事紹介(蛍光灯のおはなし)

 美術館で天井を見上げてみたことはありますか? 石川県立美術館の天井には細長い蛍光灯がたくさんついています。同じ蛍光灯をずっと使い続けると、明かりがチラチラしたり突然消えたりする可能性があります。このようなことを防ぐために、当館では時期を決めて、一斉に蛍光灯を交換しています。
 まず、紙の筒に入っている蛍光灯を一本一本取り出します。使う蛍光灯の数は、一つの展示室につきなんと約400本! 量が多いので、複数人でどんどん取り出していきます。
 400本×部屋数の蛍光灯が準備できたら、いよいよ交換作業です。蛍光灯は、天井の蛍光灯カバーの中に収まっています。作業としては、車輪つきの高いタワー(「やぐら」と呼んでいます)にのぼり、ドライバーでカバーを開け、古いものと交換、そしてまたカバーを閉める…という作業を二人組で進めます。電気の近くでの作業なので、とにかく暑い。汗だくになりながらの作業になります。ちなみに、設置の際は蛍光灯のマークの向きをそろえていることも付け足しておきます。わざわざ天井を見上げ、向きがそろっているかどうかを気にするお客様もなかなかいらっしゃらないと思いますが、とにかく美しく設置することにも私たちは気を遣っているのです。
 すべて交換できたら、作業完了です! 一度交換すれば、何年かは問題なく点灯してくれるでしょう。ちなみに、当館で使っている蛍光灯は、紫外線を出さないので作品をいためない美術館・博物館専用の蛍光灯です。作品に優しく、見た目も美しく。快適に鑑賞できる環境づくりを目指しています。

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