46
ワイエス展−ヘルガ
          
   
会 期 平成2年6月23日〜7月15日
主 催 読売新聞社・テレビ金沢・美術館連絡協議会・石川県立美術館
後 援 外務省・文化庁・アメリカ大使館・石川県教育委員会・金沢市教育委員会
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   
 アメリカを代表する現代画家アンドリュー・ワイエスの話題作、「ヘルガ」シリーズの日本初公開展で、当館を含め8会場で開催された展観であった。
 4年前、15年間にわたって夫人にも知られることなく、近くの農場で働くドイツ系女性ヘルガを描いた「ヘルガ」シリーズ246点の存在が明らかになった話題性もあって関心を呼び、当館を含め各会場とも多くの入場者があった。
 アメリカの現代絵画といえば、どちらかというと斬新な構成、強烈な色彩などをすぐに思い浮かべるが、ワイエスの長期にわたって描き続けた細やかなタッチやそれによって喚起される豊かなイメージは、深い魅力をたたえており、多くの共感を呼んだ展観であった。

前のページに戻る

47
−日本画壇の巨匠−
西山英雄展
 
 
会 期 平成2年9月1日〜9月30日
主 催 石川県立美術館・読売新聞社・テレビ金沢
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   
 昭和47年から5年間、金沢美術工芸大学教授として来沢し、多くの有望な日本画家を育て、石川県の日本画界に多くの成果をもたらした西山英雄氏の回顧展であった。
 西山英雄氏は、昭和56年の「画業50年展」以来、7年ぶりに喜寿を記念して大回顧展を目指し、「春待つ」「夕映え阿蘇」など新しい作品に意欲的に取り組んでいたが、平成元年1月22日脳溢血で急逝し、結果として本展は遺作回顧展となった。
 60年近い画業を展望する初期から遺作の「雨後桜島」(未完)まで、雄大な自然観照に基づく大作から、素描スケッチまで88点で構成した西山芸術の全貌を鳥瞰できた見事な内容で、鑑賞者に多くの感動を与えた展観であった。

前のページに戻る

48
−文化財保護法施行40周年記念−
石川県の文化財展Ⅱ
   
会 期 平成2年10月5日〜10月28日
主 催 石川県立美術館
後 援 文化庁・北國新聞社・NHK金沢放送局
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   
 春季展のⅠに続く秋季展Ⅱで、89点を展示した。
 その内訳は、指定別で見ると国宝3点、重要文化財38点、石川県指定文化財48点であり、種類別では絵画30点、書跡・典籍15点、彫刻8点、工芸品30点、考古資料4点、歴史資料2点で、春季展Ⅰとあわせると合計約170点となる。
  これらの文化財は石川県の歴史と風土をよく物語り、例えば加賀地区ではいずれも個人蔵の「紙本墨画洞庭秋月図」や「紙本著色天狗草紙(園城寺巻)」など前田家を中心とした収集された文化財、能登地区では羽咋市豊財院の「木造馬頭観音立像」などに代表されるように歴史的にも貴重なものが数多い。
 こうした意味でも特色ある文化財が一堂に公開されて話題を呼び、あらためて文化財保護の重要性が認識された展覧会であった。

前のページに戻る

49
東京国立近代美術館所蔵
近代日本画名作展
 
 
会 期 平成3年4月26日〜5月19日
主 催 石川県立美術館・東京国立近代美術館・日本経済新聞社
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   
 平成3年2月から9か月間、東京国立近代美術館の改修工事のための休館にともない、常設展示等で広く知られた近代の日本画50点を当館と香川県文化会館の二会場に限定して開催した展覧会であった。
 東京国立近代美術館の所蔵品は近代日本美術の流れを十分概観できる質と量を誇り、今回の展観でもその中から、明治末期の菱田春草、下村観山から始まり、大正、昭和戦前期を経て今日に至る日本画の代表作を展示することで、その一端をうかがうことが可能であった。
 出品作のほとんどは、美術書や教科書などでよく紹介され、親しまれているもので、作者も近代日本画に名をとどめる巨匠ばかりであることなどから、連日多くの鑑賞者が訪れ、感銘を与えた展覧会であった。

前のページに戻る

  50
ナイルが伝える悠久の遺産 −国立カイロ博物館所蔵−
黄金のエジプト王朝展
 
 
会 期 平成3年6月8日〜7月7日
主 催 北國新聞社・富山新聞社
後 援 外務省・文化庁・エジプトアラブ共和国大使館・石川県・富山県・福井県・金沢市各教育委員会・テレビ金沢・NHK金沢放送局・エフエム石川・福井新聞社・石川県立美術館
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   
 おおよそ5千年の歴史を誇るエジプトは、世界最古の文明発祥の地の一つとしてあまりにもよく知られている。主として国立カイロ博物館に収蔵されているその輝かしい遺産の数々は、人類全体の秘法ということができよう。
 本展は、エジプト文化省考古庁、国立カイロ博物館の全面的協力によるもので、古代エジプトの黄金期ともいうべき新王国時代(紀元前1500年前後)の王族貴族の黄金製装身具を中心とする秘宝56点を、「Ⅰ煌びやかな装い」 「Ⅱ甦る栄光」 「Ⅲ黄金の眠り」 「Ⅳ永遠の祈り」というように4部構成した。
 30日間で約13万人という、当館開館以来、一展覧会で最高の入場者をみた。

前のページに戻る