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ひと・ヒト・人、人物を描いて…
南政善回顧展
          
   
会 期 平成元年3月1日〜3月29日
主 催 石川県立美術館
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   
 石川県生まれの洋画家、南政善氏の生誕80年、没後13年を記念し開催したもので、本館で初めての回顧展であった。
 南政善氏は、石川県羽咋郡志加浦村字川尻(現在の志賀町)に生まれ、中学時代に美術教師の強い影響を受けて画家になることを志し、昭和5年に東京美術学校に入学した。
 美術学校では藤島武二に師事して才能を発揮し、在学中に帝展に入選、その後文展、戦後の日展と主として光風会系で活躍、昭和40年には文部大臣賞を受賞した。
 人物画に優れ、とくにエキゾチックな色彩豊かな婦人像に秀作があり、晩年は日本人独自の洋画表現をめざして制作に励んだ。

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工芸の都・金沢市制百周年記念協賛
石川県の人間国宝展
 
 
会 期 平成元年4月22日〜5月21日
主 催 石川県立美術館
後 援 NHK金沢放送局
協 力 東京国立近代美術館
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   
 石川県は東京・京都と並んで、わが国での工芸技術の高い水準が維持されている地域として広く知られている。
 これは江戸時代の歴代加賀藩主が、一貫して美術工芸に対して積極的な施策をとったことによるものであり、明治以降今日にいたるまでその伝統は見事に引き継がれ、数多くの全国的な評価を受ける名工を輩出し、重要無形文化財保持者いわゆる人間国宝も多数誕生している。
 本展は、工芸の都として広く知られる金沢市の市制百周年に協賛して、石川県ゆかりの人間国宝11名(うち金沢市ゆかり9名)・1団体の作品181点を一堂に展示したもので、石川県の伝統工芸の最高技術を鑑賞するにはまたとない機会で好評を得た。
 会期中は映画とビデオで、各作家の技術記録を紹介し、多くの鑑賞者があった。

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アンディ・ウォーホル展
   
会 期 平成元年6月11日〜6月25日
主 催 北陸中日新聞・石川テレビ放送・石川県立美術館
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   
 1960年代、グラフィック技術を基調として、著名な人物の肖像、有名商品のラベルといった、人々に知られた既成のイメージの複写的表現を、自分のスタイルとして俄然頭角を現し、若い世代の熱狂的な共感を呼んで一躍アメリカのポップアートのヒーローとなった、アンディ・ウォーホルの作品を、北陸で初めて総合的に紹介した展観であった。
 最もアメリカ的なウォーホルの作品群は、伝統都市金沢を中心とする石川県民にとって、どのような反響があるかが興味深いところであったが、美術の範囲を超え、デザイン、広告、映像、ファッション、音楽等に関心のある方や、今までに一度も美術館へ足を運んだことのない若年層までの幅広い支持があり、多くの反響を呼んだ展観であった。

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金沢市制100周年協賛
第1回陶芸ビエンナーレ’89

 
会 期 平成元年6月29日〜7月9日
主 催 北陸中日新聞・石川テレビ放送・中日文化センター・石川県立美術館
後 援 石川県・金沢市・石川県教育委員会・金沢市教育委員会・NHK金沢放送局
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   

 わが国の陶芸は優れた伝統と秀でた技術を誇り、国際的にも極めて高い評価を受けている。
 多様化する現代美術の動向に対応し、陶芸部門の新たな可能性を切り開くため、平成元年からビエンナーレ方式で、広く全国から作品を公募し、創造性豊かな作家を顕彰すると同時に、現代の日本陶芸の発展に寄与することを目的にして開催された展観で、名古屋・金沢・岡山・東京の4会場を巡回して高い評価を得た。
 ただ立ち上がりが名古屋であったこと、作品公募の広報が十分でなかったことなどから、出品者の多くが愛知県に集中し、京都、北陸、九州という窯業生産の伝統地域からの参加が少なかったという反省点が認められた。

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古九谷の風土が生んだ
近代陶藝四巨匠展
   
会 期 平成元年7月15日〜8月6日
主 催 読売新聞社・北陸放送・石川県立美術館
後 援 石川県教育委員会・金沢市教育委員会・富山県教育委員会・福井県教育委員会
協 賛 淡交会石川県支部・同門会石川県支部
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   
 石川県は、藩政時代の加賀藩の領域と全く一致するため、加賀藩以来の優れた伝統文化が今日も見事に息づいている。そうした伝統文化、伝統工芸の代表格たるものが九谷焼で、なかでも初期の古九谷は、日本色絵磁器の王者として高い評価を受けている。
 板谷波山、北大路魯山人、富本憲吉、石黒宗麿の4人の陶芸家は、古九谷を含めての加賀の質の高い工芸風土に魅せられて石川の地を訪れ、彼らの創作活動のエネルギーにそれらを見事に生かし数々の名品、優品を制作して世に問い、わが国近代陶芸史上に、さん然と輝く足跡を残している。
 本展はこうした四巨匠の作品を通して、彼らがいかに加賀の工芸風土の地に触発され大成していったかの伝統と創造の世界を探ろうとしたもので、多くの鑑賞者から高い評価を受けた展観であった。

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