31
生誕100年
小絲源太郎展
          
   
会 期 昭和63年4月23日〜5月22日
主 催 石川県立美術館・西武美術館・日本経済新聞社
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   
 小絲源太郎は、明治20年東京に生まれ、17歳のとき藤島武二の作品に魅せられて、画家になることを志したという。
 東京美術学校(現東京芸術大学)金工科在学中の43年に文展初入選、以来帝展・日展と出品し、昭和34年に芸術院会員、40年に文化勲章を受章するなど、53年2月に90歳で没するまで、常に日本洋画壇の第一線で活躍した。
 昭和25年から29年までは、金沢美術工芸短期大学の非常勤洋画教授として多くの学生を指導しており、こうした関係からゆかりの地金沢で開催したものである。
 本展は、小絲源太郎の初期の美術学校在学時代の作品から絶筆まで、油彩・素描あわせて96点を展示したもので、小絲芸術の全貌を回顧するにふさわしい展観であった。

前のページに戻る

32
ダリの世界
 
 
会 期 昭和63年6月25日〜7月17日
主 催 北陸中日新聞・石川テレビ放送・カタルニア自治州政府・石川県立美術館
後 援 外務省・文化庁・駐日スペイン大使館・石川県・富山県・福井県・金沢市各教育委員会
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   
 シュルレアリスムの画家として名高いサルバドール・ダリは、画家という看板の陰に、小説家・詩人・思想家・演出家・映画作家・イラストレーターとしての、さまざまな顔を隠しており、稀代の文筆家として広く知られている。
 本展は画家としてのダリよりも、書物のなかに繰り広げられたダリの仕事を中心に構成したもので、一般的にはあまり知られていない世界を明らかにした展観であった。
 内容は二部構成で、一部は「文筆家としてのダリ」、二部は「イラストレーターとしてのダリ」で、ダリの原稿・水彩・デッサン・版画・など約450点の豊富な資料でダリの思索的世界を探る展観であった。

前のページに戻る

  33
第10回日本秀作美術展
   
会 期 昭和63年9月3日〜9月26日
主 催 読売新聞社・美術館連絡協議会・石川県立美術館
後 援 文化庁・石川県教育委員会・金沢市教育委員会・北陸放送
協 賛 花王株式会社
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   
 昭和62年中に開催された個展、グループ展、団体展、公募展等のなかから、真に後世に残るに値する日本画、洋画の秀作を美術評論家8名の眼によって選抜された、現代日本美術の最高の質を誇る展観で、本年で10年目、当館での開催は2回目であった。
 昨年と同様、展観の内容は充実しており、見ごたえがあったが、まだ当館では2回目ということもあり、熟知されていない感があった。

前のページに戻る

34
開館5周年記念 加賀文化の華
前田綱紀展
 
 
会 期 昭和63年10月1日〜10月26日
主 催 石川県立美術館・前田育徳会
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   
 前田綱紀は、加賀藩5代藩主で、江戸時代のいわゆる加賀文化の完成者である。
 綱紀が生きた時代は、江戸時代中期の文化爛熟期に照応し、みずから学を好み、文化芸術を奨励したところから、加賀藩は、とくに首府としての金沢は、稀にみる文化芸術の都市として見事な繁栄を遂げ、今日の石川県の伝統工芸の盛んな土地柄としてのルーツを築き上げている。
 本展は、前田綱紀という人物を通して、加賀文化の特色を探ろうとした展観で、そのスケールの大きさ、質の高さ等において高く評価された展観であった。
 展示は、「綱紀と周囲の人々」「尊經閣蔵書」「百工比照」「加賀藩細工所を中心とした名工たち」の四部より構成され、豊富な展示資料は見る人を圧倒した。

前のページに戻る

35
清荒神清澄寺コレクションによる
富岡鉄斎展
 
 
会 期 昭和64年1月4日〜平成元年1月29日
主 催 北陸中日新聞・石川テレビ放送・石川県立美術館
後 援 石川県教育委員会・金沢市教育委員会・NHK金沢放送局
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   
 鉄斎の体系的な収集と展示研究活動で広く知られている兵庫県宝塚市の清荒神コレクションのなかから秀作を選りすぐっての展観であった。
 鉄斎は、儒者としての学識を背景に中国の明・新時代の文人画をはじめ、大和絵・琳派・浮世絵・大津絵などあらゆる画風を取り入れ、鮮烈な色彩感覚、斬新な表現、重厚で緻密な造形力などによって独自の画境を確立し、その芸術は広く海外でも高い評価を得ている。
 このコレクションによる展観は、旧館時代の昭和43年にすでに行っており、今回は前回に展示されなかった作品を中心に構成した。

前のページに戻る