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石川県作家選抜美術


 
会 期 昭和61年2月28日〜3月30日
主 催 石川県立美術館
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   

 本展は59年度の選抜展に引き続き開催した第2回目の展観であった。59年度は県内在住作家に限定したが、本年は県出身・県ゆかりの作家まで枠を広げることとし、日本的視野に近いレベルで作家を選抜することとした。 従って結果として県内在住作家の選抜は、いささか厳選されることになり、59年度より数は少なくなったが、全体として見ごたえのある展観内容となった。
 選抜作家数は、県内66名(59年度は112名)、県外17名で、59年度選抜作家の50%が入れ替えとなった。
 なお本展はすでに常設部門に展示されている、一定の評価を受けた作家を除いた若手・中堅作家であることは、59年度の選抜基準と同じで、選抜は当館学芸員によって行った。

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ドイツと日本の作家たち 
今日の金属造形展
 
 
会 期 昭和61年4月25日〜5月18日
主 催 石川県立美術館・財団法人日本金属造型振興会
後 援 外務省・文化庁・ドイツ連邦共和国大使館・国際交流基金・東京ドイツ文化センター
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   
 日本金属造型振興会を中心に、本県と札幌彫刻美術館、山形美術館、神奈川県立近代美術館の共同企画により開催された展観である。
  今日は生活環境の都市化が急激に進み、それに伴って都市環境の質的側面を充実させる運動が興っている。金属素材を用い、造形美を追求する作家たちが振興会を結成し、そうした運動に対応すべく種々の活動を行ってきたが、その成果の一つとして開催されたのが本展であった。
 とくに本展は日本の作家21名のみならず、こうした運動の世界的先進国である西ドイツの作家19名の作品を含め、国際交流展として開催されたもので、従来の金属工芸や野外彫刻のジャンルを越えて見る人に深い現代的感動を与えた展観であった。

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遙かなり大河五千キロ、悠久七千年
黄河文明展
   
会 期 昭和61年7月11日〜8月10日
主 催 北陸中日新聞・石川県立美術館・日本中国文化交流協会・日本放送協会
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   
 世界四大文明の発祥地の一つである黄河流域。その姿を流域の各地から出土した文物をもってみせようと構成した展観であった。
 内容は三部の構成からなり、第一部は「黄河文明の曙」として、主として中国の新石器時代の文化を、第二部は「絢爛たる商周青銅器文化」として商から戦国時代までの青銅器の名品を、第三部は「豊富多彩な漢唐文化」として、流金の青銅器や多くの副葬品としての彩陶など、中国文明7000年の歩みを、出土文物によって丹念にみせた豪華な展示内容は、鑑賞者を圧倒するものがあった。
 ちょうどNHKで『大黄河』の放送を行っている最中でもあり、これと相まって広報が徹底し、近年の展観として最も多くの入場者があった。

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日本文化の源流を探る 
高句麗文化展
 
 
会 期 昭和61年9月6日〜9月28日
主 催 北國新聞社・高句麗文化展実行委員会・石川県立美術館
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   
 朝鮮半島北部の地に、古代国家を形成した高句麗は、わが国の古代文化に深い影響を与えていることは広く知られており、とくに高句麗の古墳文化の見事な展開は、わが国の古墳文化に計り知れぬ影響を与えている。
 本展はそうした意味で、高句麗の古墳文化、なかでも古墳内部に描かれている壁画を鑑賞することによって、高句麗文化の精髄に迫ろうというもので、展示室内に高句麗古墳を原寸大で復元し、復元された内部に丹念に模写された壁画を貼り付け、鑑賞者が内部へ入って体験的に感じとろうとした展観であった。
 レプリカの展示ではあったが、そのスケールの大きさ、表現された壁画の内容の豊かさに圧倒された展観であった。

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生誕100年記念
富本憲吉展
 
 
会 期 昭和61年10月3日〜10月26日
主 催 石川県立美術館・朝日新聞社
後 援 NHK金沢放送局
協 力 大原美術館・富本憲吉記念館
展示室 第7・第8・第9展示室使用
   
 わが国陶芸の近代化に、大きな足跡をのこした富本憲吉の生誕100年を記念して開催した展観である。
 富本憲吉は、昭和11年に本県の北出塔次郎の青泉窯を訪れており、ここで九谷の色絵を学び研究して、以後、独特の鮮麗高雅な色絵の模様の展開が始まったとされている。
 とくに定家かずらという五弁花の花から生み出された四弁花の独特の連続模様は、富本憲吉を代表する色絵模様として広く知られており、九谷陶芸界も、こうした色絵装飾技法の強い影響を受けている。
 本展はこうした富本と九谷との関係を知るとともに、初期から未完の最終作品までを一堂に展示し、富本芸術の神髄を紹介することを目的として開催した展観であった。

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