群像彫刻は複数の人物・動物などの集合・組み合わせからなる作品で、性格や姿などが異なるモチーフ同士が全体としてひとつのフォルムを形成するとともに、テーマと意志を統合し作品化したものです。本館の群像彫刻作品は、人物2体のパターンのものが中心ですが、人と動物の組み合わせである「満州風景」(吉田三郎作)などのような作品がみえるほか、三美神のように「知」・「情」・「意」を、3人の裸女で象徴させた「和」(畝村直久作)のような3人群像作品。「四高記念像」(吉田三郎作)のように、明治・大正・昭和の各時代をそれぞれの時代の学生さん3人の姿で表した作品。また「山羊を飼う老人」(吉田三郎作)のように1人に山羊2頭を組み合わせた作品。更に「子供群像」(吉田三郎作)のように、横に並んだ大勢の子供の身長の高低を棒グラフの高さに相当させ、横浜市の水道の今日までの発展の様子を示すという珍しい作品もみえるものとなっています。
展示構成は、人物群像の「群像の人々 〜ひとびと・にんにん〜」。人と動物の混合像の「人と動物 〜物語と情景の中で〜」。抽象作品をも含めフォルムの対比と調和をテーマにする「個と個の相克と協調」。そして「動物群像 〜睦まじい情景〜」です。フォルムの融合と個性の調和を示す「群像」の多彩な展開をお楽しみ下さい。