風景画の魅力   第3・第6展示室
  平成26年11月27日木曜日〜12月23日火曜・祝日 会期中無休 
 

 広大な景色や幽玄な景色を目にしたとき、人は「ああっ」と歓声をあげたり、吐息をもらしたりします。
 心に残る風景、あるいは残したいと思う風景は、どなたもお持ちのことでしょう。一人一人の心に刻まれた風景には人それぞれの思い出が、風のそよぎや匂い、音を伴って甦ってきます。いつかどこかで見た景色だと感じたとき、その時代にフィードバックした自分を感ずるのです。
 風景画の魅力はこうした情緒的要素に加え、体験する喜びをあげることができます。居ながらにして旅し、発見する喜び。見知らぬ土地であれば、目にする全てがもの珍しく、ワクワクとあちこちを眺めて想像をふくらませ、旅の疑似体験を味わえます。
 さらに、画家の目、つまり、視点と表現方法が、写生とは異なる風景画独特の魅力を作り上げています。富士を赤くダイナミックに描いた北斎、雪の東海道蒲原を情緒たっぷりに描いた広重、いずれも新鮮でハッとするほど驚きのある表現です。日本画における茫漠とした空間、油絵の実空間かと見まごう材質感を伴った風景、画家たちは自分にしか描けない風景画を作り上げて来ました。人はそれらを見ることにより、新たな自然の見方を学んできたのです。
 今回の特集では、日本画、洋画、水彩画、素描、版画の異なる技法、異なる絵画世界において、どのように風景が描かれたかをご覧いただければと思います。日本画と洋画のものの見方、空間表現の違いや、大作と現場で一気に描かれたスケッチとの違い、そしていくつかの手順を経て制作される版画との違いなど、興味はなかなかに尽きないのではないでしょうか。ぜひご覧いただき、絵を旅してください。

 
油彩・アクリル・水彩・素描・版画 第3展示室
作者名 作品名 制作年 初出展・受賞
1 大滝由季生 ひらけ行く山麓 昭和52年 第9回改組日展 特選
2 奥田憲三 雪の入江 平成10年 第21回日展
3 小田根五郎 ミラノ・ドゥオモ 平成13年 グループ展究
4 片岡珠子 赤富士    
5 小林敬生 蘇生の刻 群舞99-3A 平成11年  
6 酒井幸雄 もうひとつの風景-11(プロブデフ) 平成元年 第35回一陽展
7 白尾勇次 或る風景 昭和60年  
8 須田国太郎 スケッチブック 風景 昭和30年  
9 竹沢 基 シャルトルの寺 昭和36年 第47回光風会展
10 田辺栄次郎 セーヌ川遠望 昭和52年 第23回一陽展
11 塗師祥一郎 山間 昭和54年 第11回改組日展
12 端名 清 エーゲ海をいく 昭和61年 第18回改組日展
13 判 三教 平成15年 第49回一陽展
14 藤本東一良 かもめのくる港 昭和47年 第11回改組日展(昭和54年)
15 堀 忠義 雪の山 昭和44年 第31回一水会展
16 三浦 泉 残された刻 平成5年 個展
17 村田省蔵 斑雪 平成20年 第40回改組日展
18 森本仁平 湖畔のはす田 平成7年 森本仁平展
19 森 秀雄 DREAM LAND 昭和55年頃  
日本画 第6展示室
作者名 作品名 制作年 初出展・受賞
1 石川 義 生韻 平成11年 改組第31回日展
2 坂根克介 寄港 昭和45年 改組第2回日展
3 下村正一 送電柱 昭和33年 第1回新日展
4 西山英雄 火焔山 昭和56年 改組第13回日展
5 松崎十朗 午後の光線 平成24年 改組第43回日展
6 山本知克 朝日の当たる街 平成11年 改組第31回日展
7 畠山錦成 霽れる 昭和55年 改組第12回日展
8 原田太乙 寂寞 昭和26年  
9 曲子光男 雪山 平成8年 改組第28回日展
10 由里本出 原野 昭和63年 改組第20回日展 特選
11 中町 力 THE BRONX 平成23年 改組第43回日展 会員賞
12 羽根万象 パリの裏街 昭和53年  
13 平桜和正 室蘭 昭和31年 第12回日展
14 山本 隆 先斗町 昭和61年 改組第18回日展 特選
15 中出信昭 平成12年 改組第32回日展
16 仁志出龍司 ベンチ 平成元年 改組第21回日展
17 古澤洋子 未来の化石 平成20年 改組第40回日展 特選
18 木村杏園 能登内浦の風景 昭和  
19 山科杏亭 朝霧図 昭和22年  
20 山脇皜雲 能登海浜加賀山麓図 大正12年  
油彩画コレクション展示
コレクション展示 油彩・アクリル画 第3展示室
No. 作者名 作品名 制作年 初出展・受賞
1 大場吉美 雲を食べた男 平成18年 第52回一陽展
2 鴨居 玲 村の教会 昭和44年  
3 鴨居 玲 蜘蛛の糸 昭和57年  
4 高光一也 カサブランカ 昭和50年 第7回改組日展
5 棚瀬修次 Black Space in−かたち− 平成17年 第51回一陽展 
6 宮本三郎 裸女達に捧ぐ 昭和44年 第23回二紀展
7 宮本三郎 熱叢夢 昭和46年 第25回二紀展
8 吉田冨士夫 交霊術・HARP 平成8年 第50回記念二紀展 第50回記念賞
9 脇田 和 連理 平成6年 第58回新制作協会展

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