近現代の絵画・彫刻部門においては、館蔵優品選と題してこの部門における当館の優品、代表的な作品をご覧頂きます。
　日本画部門では、まず大正、昭和期に活躍した前田青邨の「鮒」、安田靫彦の「飛鳥をとめ」、伊東深水の「酔燕台翁」などの優品をご覧頂きます。こういった名だたる作家たちには知られざる名品が多いものです。これらの作品もその内に数えられるものと自負するものです。そして昭和、平成に京都画壇を中心に活躍し、全国的に知られる西山英雄、石川義ら、石川にゆかり深い物故作家の作品を中心にご覧頂きます。
　油彩画では清水錬徳、高光一也、南政善、宮本三郎、鴨居玲、吉田富士夫など物故作家の代表作に、現在活躍中の池田良則、大場吉美、加藤安佐子、白尾勇次、田井淳、立見榮男、西田洋一郎、西房浩二などの作品を展示します。写実から抽象を交えた具象作品、そして抽象画まで、本県ゆかりの洋画家達が、それぞれに築き上げた独自のスタイルを、優品によりご覧いただきます。
　彫刻部門も館蔵品を中心とする優品の展示です。立体・空間造形で、さらに物質芸術でもある彫刻では様々な材質が使われていて、作品テーマやフォルムに最も合った素材を選ぶと共に、制作では素材の特徴を生かすことも重要です。展示ではブロンズを中心に、ステンレス・乾漆など様々な素材を扱いますが同じ素材の作品の中にもテーマや表現により多様な表情を示す素材の魅力についてもお楽しみください。