特集 人体彫刻
第4展示室
 平成26年6月19日(木)〜7月27日(日) 会期中無休


  今回の展示は「人体」をモチーフにした、具象から抽象的な表現にいたる作品を中心に展示するものです。
 人体を表した彫刻の歴史はたいへん古くからみえるものです。ヒトが自分たち人間を表現するという行為は、根源的な問いであり、また永遠のテーマとも言えるものでしょう。当館の彫刻コレクションのテーマにおいて多くを占めるものがこの人間を対象とした作品群でありますが、これは多くの美術館にも共通するものと思われます。
 さて人間表現を含めた人体彫刻の魅力とテーマとしては、生命感の表現として女性美・官能美、男性の筋肉美などをはじめとする人体の美は元より、一つのフォルムとしての美が見えるほか、人間表現の諸相として、感情や深層心理の表現、また生活の中での一つのシーンを捉えたものから人体を借りての季節感の表現等々の諸相がみえるものとなっています。
 展示では、人体彫刻でよく用いられる彫刻素材で塑造の代表的素材である「ブロンズ」と、彫刻素材の代表である「木」を中心に、石膏・FRPなど多彩な素材による人体表現の魅力もお楽しみいただくものです。

番号 作 品 名 作 者 制 作 年 初出展覧会・受賞 材 質
1 雲に漂う 吉田 三郎 昭和28年(1953) 第9回日展 ブロンズ
2 腰かける女 高田 博厚 昭和50年(1975)   ブロンズ
3 崩壊 木村 珪二 昭和43年(1968) 第11回新日展 ブロンズ
4 泉お汲む 矩 幸成 昭和38年(1963) 第6回新日展 ブロンズ
5 田中 太郎 昭和51年(1976)  
6 倒立 田中 太郎 昭和52年(1977)  
7 笛人 澤田 政広 昭和49年(1974)  
8 想う 松田 尚之 昭和17年(1942) 第5回新文展 ブロンズ
9 裸婦(トルソ) 木下 繁 昭和39年(1964) 第7回新日展 ブロンズ
10 草笛 中島 東洋 昭和3年(1928) 第9回帝展 ブロンズ
11 得能 節朗 昭和50年(1975) 第7回改組日展 ブロンズ
12 雄渾 北村 西望 昭和60年(1985)   ブロンズ
13 裸婦 土田 実 昭和10年代   石膏
14 曲芸師 三谷 慎 昭和59年(1984)   ブロンズ
15 昼間 弘 昭和26年(1951) 第7回日展特選
16 ノスタルジア(横たわる人) 三谷 慎 平成元年(1989)   ブロンズ
17 女のトルソ 高田 博厚 昭和40年(1965)   ブロンズ
18 ワ・タ・シ 今ナニヲ 梶本 良衛 平成9年(1997) 石川県作家選抜美術展’98
19 石田 康夫 平成11年(1999) 第31回改組日展 ブロンズ
20 MiserereⅥ 中村 晋也 平成8年(1996) 第28回改組日展特選 ブロンズ
21 坂 担道 昭和47年(1972) 第4回改組日展 FRP
22 微風 山本 力吉 昭和26年(1951) 再興第36回院展
23 蜘蛛の糸(芥川龍之介より) 清水 良治 平成16年(2004) 第68回新制作協会展 ブロンズ
24 歌郷 尾形 喜代治 昭和51年(1976)  
25 道化師 円鍔 勝三 昭和54年(1979)  
26 夏に想う 野畠 耕之介 昭和53年(1978) 第8回日彫展日彫賞受賞 FRP

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