新収蔵品展 [ 日本画・油彩画 ]  第3展示室
 平成26年 6月19日(木)~7月27日(日) 会期中無休 

 第3展示室では、昨年度収集した近現代絵画を紹介します。
 洋画部門では昨年度の新収蔵品に新寄託品を合わせて展示します。既に開光市の作品は6点収蔵していますが、新たに超巨大な横9メートルの「くも」と8メートルの「舟」、共に4枚組の作品が2点加わりました。「くも」は異なるサイズのキャンバスを組み合わせた異色作で、開独特の緻密な絵肌を持つ奇怪な生物を描く作品です。展示に工夫がいりますが、上手く構成できれば、その存在感は圧倒的なものがあります。長谷川清作「初秋」は女性が2人室内にたたずむ穏やかな作品です。中間調による柔らかな色彩の対比が、光の陰影と相まって美しく映えています。寄託品では高光一也作の「勤労出動」を紹介します。昭和18年の同名作品より大型で同じ女性達を若干替えて描いた姉妹作で、高光氏の没後公開されるのは初めてとなります。
 日本画では昨年度7点の収蔵がありました。中でも興味深いのが川端玉章の画巻ではないでしょうか。玉章は明治期の円山派を代表する付け立ての名手で、美校の学生たちに指南するために描いた『付け立て画手本』は有名です。今回収蔵された写生画巻は身近な生物を生き生きと描き出し、『付け立て画手本』を彷彿とさせるものです。その他、古澤洋子氏の3面で構成される大作「氷食」。中町力氏の日展会員賞受賞作「THE BRONX」。さらに京都画壇で活躍した山本知克氏の代表作4点を展示します。

 日本画
No. 作者名 作 品 名 制作年 初出展覧会・受賞
1 中町 力 THE BRONX 平成23年 改組第43回日展 会員賞
2 古澤洋子 氷食 平成15年 個展
3 山本知克 朝の中之島 昭和55年 改組第43回日展 会員賞
4 山本知克 たそがれの街 平成2年 改組第22回日展 第7回京都画壇日本画秀作展
5 山本知克 朝日の当たる街 平成11年 改組第31回日展

 洋画
No. 作者名 作 品 名 制作年 初出展覧会・受賞
1 須田国太郎 スケッチブック3冊 昭和30年  
2 鴨居 玲 女性像 昭和57年  
3 鴨居 玲 絵皿「嫁ぐ人へ」 昭和29年  
4 鴨居 玲 書簡・自画像・ハガキ

昭和23・25年

 
5 能島芳史 風蝕・南瓜UC 平成24年  
6 長谷川 清 初秋 平成9年 第57回一水会展 佳作賞
7 長谷川 清 初夏の香り 平成17年 第67回日展
8 開 光市 油彩「舟」 平成9年  
9 開 光市 油彩「くも」 平成15年  

 

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