加賀藩祖・前田利家の金沢城入城にちなんで毎年開催される「金沢百万石まつり」は、毎年人気俳優が扮する馬上の利家が勇壮華麗に市内を回る「百万石パレード」をメインとした金沢市のお祭りです。今年はこの時期にあわせて、江戸時代の金沢に暮らす武士や人々の姿を、絵画や工芸作品をとおして紹介する特集展示を、第2展示室で開催します。
金沢随一の繁華街といえば、今も昔も片町でしょう。現在の国道157号線にあたるメインストリートは、かつて『北国街道』と呼ばれ、瀬戸物商に呉服商、造り酒屋など様々な商店が軒を連ねていました。犀川大橋は、行商人だけでなく、武士や百姓、こどもたちで賑わう名所でした。この周辺一帯の光景を描いたのが石川県指定文化財『金沢城下図屏風』(福島秀川筆)で、ごり採りや鮎釣りなど、犀川に遊ぶ人々の様子も描かれています。
一方、工芸作品としてご紹介するのが、『紅糸威仁王胴具足』(村井長頼所用)です。華やかな紅糸を用い、叩塗に金箔押の胴部に、あばら骨と乳首という大胆なデザインを打ち出したこの甲冑は、昨年フランス・パリでも展示され、大きな反響を呼びました。
以上2点は、いずれも県立歴史博物館(歴博)の所蔵品です。歴博は現在改修工事による休館中のため、歴博と本館所蔵品をミックスさせた展示が可能となりました。どうぞお楽しみに。