特集 銅像  第4展示室
  平成25年11月20日(水)〜12月15日(日) 会期中無休          


  「銅像」と聞いて皆様は何を思い出すでしょうか? お年を召した方なら立派なヒゲを生やした軍人さんや、礼服姿で威厳のある雰囲気を漂わせる政治家像を思い出すかも知れません。また高名な学者や地域の発展と公益に尽力した偉人の胸像。さらに学校の門の脇に立っている二宮金次郎像を思い浮かべる方もおられることでしょう。さらに更に人によっては展覧会場で見るのと同じ女性裸像や筋骨逞しい青年像から鋳銅製の抽象作品を含めたアート作品をイメージした方。そして最も歴史があるところの鋳銅製の仏像を思い描いた方もおられることでしょう。
 今日、一般的に銅像は、記念碑的な要素を含め、屋外に建立される鋳造銅合金製の像を指すことが多いようですが、みてきたように銅像は多様なイメージで捉えられています。
明治維新以降、急速に近代化と西欧化を進めたわが国では、それまではなかった人物・肖像彫刻の制作と建立が普及し定着し、多くの銅像が建てられるようになりましたが太平洋戦争時の金属供出で悉く姿を消します。しかし戦後復活するや以前にも増して普及発展するという近現代史を物語る資料としての側面も見えます。展示では鋳銅製の置物に始まり各種肖像彫刻と首作品を中心にご覧いただくもので、特に人物像の肖像性と顕彰性についても眺めるものです。


No  作品名  作者名  制作年  展覧会  受賞
1 北村 西望 像 吉田三郎 昭30(1955) 第11回日展 ブロンズ
2 金山 平三 像 吉田三郎 昭32(1957) 第13回日展 ブロンズ
3 遊佐 幸平 像 吉田三郎 昭33(1958) 第1回新日展 ブロンズ
4 中村 研一 像 吉田三郎 昭34(1959) 第7回日彫展 ブロンズ
5 辻 永 像 吉田三郎 昭35(1960) 第3回新日展 ブロンズ
6 鈴木 翠軒 像 吉田三郎 昭36(1961) 第4回新日展 ブロンズ
7 人物座像 朝倉文夫 大正〜昭和   ブロンズ
8 鴨居 玲 像 雨宮敬子 平7(2005)   ブロンズ
9 岸 加八郎 像 矩 幸成 昭25(1950)   ブロンズ
10 金森 徳太郎 像 都賀田 勇馬 昭20(1945)   陶彫
11 青木 外吉 像 吉田三郎 昭27(1952)   ブロンズ
12 南 喜一 像 吉田三郎 昭30(1955)   石膏
13 溝淵 進馬 像 吉田三郎 昭34(1959)   ブロンズ
14 新木 栄吉 像 吉田三郎 昭和35(1960)   石膏
15 益谷 秀二 像 吉田三郎 昭35(1960)   石膏
16 岸 加八郎 像 吉田三郎 昭36(1961)   石膏
17 吉田 次太郎 像 吉田三郎 大10(1921)   ブロンズ
18 吉田 次太郎 像 早田 楽斎 大10頃(c.1921)   油彩
19 遺影 木村珪二 昭38(1963) 第39回白日会 ブロンズ
20 男の首(自刻像) 堀 義雄 昭25(1950) 第6回日展 石膏
21 自刻№3 松田尚之 昭56(1981) 第13回改組日展 ブロンズ
22 久遠 木村珪二 昭40(1965) 第8回新日展 ブロンズ
23 潮音 新谷英夫 昭18(1943) 大政翼賛会美術展 ブロンズ
24 吉田三郎 昭29(1954)   ブロンズ
25 子供群像 吉田三郎 昭29(1954)   ブロンズ
26 四高記念碑 吉田三郎 昭32(1957)   ブロンズ
27 文殊菩薩 沼田一雅 明治(19〜20世紀)   ブロンズ
28 日本武尊像 松井乗運 明13(1880)   木彫
29 再起 吉田三郎 昭和35(1960)   ブロンズ
30 寿老人 吉田三郎 昭25(1950)   ブロンズ
31 友禅像 吉田三郎 昭28(1953)   ブロンズ
32 宗達像 吉田三郎 大10(1921)   ブロンズ
33 野口 英世 像 吉田三郎 昭28(1953)   ブロンズ
34 高峰 譲吉 像 吉田三郎 昭31(1956)   ブロンズ