大乗寺の文化財  第2展示室
  平成25年11月20日(水)〜12月15日(日) 会期中無休          

 大乗寺は鎌倉時代末、加賀の守護富樫家尚(いえひさ)の創建とされ、現在の野々市町に真言僧の澄海(ちょうかい)を住持させたことに始まると伝えられています。永平寺の徹通義介を招いて禅寺としたことにより、大乗寺は永平寺以外では最初に建てられた曹洞宗寺院であるとして「曹洞宗第二の本山」とも称されることになります。
 その後、大乗寺二世瑩山紹瑾(けいざんしょうきん)、三世明峯素哲(めいほうそてつ)の時期に基礎が築かれ、室町時代には足利幕府の祈願寺として寺領・屋敷が安堵されました。しかし一向一揆により国主冨樫氏が倒されて保護者を失い、さらに一揆を平定した柴田勝家の兵火によって、堂宇も焼失してしまいました。
 加賀藩の時代になって復興が行われ、二代藩主・前田利長の時代、金沢木の新保(現在の金沢市本町)に移転・再興されました。さらに本多政重により、本多家下屋敷の隣接地である石浦大乗寺坂(現在の本多町)に移転します。その後藩より与えられた現在の地に移転し、今日に続くことになるのですが、今でも県立工業高校から石引台地へ登る坂を大乗寺坂と呼んでおり、かつての名残をとどめています。

 当館には大乗寺より古文書・絵画などが一括寄託されています。重要文化財『佛果碧巌破関撃節(ぶつかへきがんはかんきゃくせつ)』(一夜碧巌集(いちやへきがん))をはじめとする、大乗寺の文化財をこの機会にご鑑賞ください。

No 区分  名   称  作 者  員 数  形 体  制 作 年 代
1 重文 佛果碧巌破関撃節上・下(一夜碧巌集) 希玄道元 2冊 紙本墨書 鎌倉13世紀
2 重文 羅漢供養講式稿本断簡 希玄道元 1巻 紙本墨書 鎌倉13世紀
3 重文 韶州曹溪山六祖師壇経   1帖 紙本墨書 鎌倉13世紀
4 重文 三代嗣法書 徹通義介ほか 1巻 紙本墨書 鎌倉〜南北朝14世紀
5 重文 支那禅刹図式(寺伝五山十刹図)   2巻 紙本墨書 鎌倉13世紀
6   足利尊氏他 教書、安堵状 足利尊氏ほか 1巻 紙本墨書 室町14〜16世紀
7 県文 開山 徹通義介頂相 菊堂祖英 1幅 絹本著色 永享6年(1434)
8 県文 3世 明峰素哲頂相   1幅 絹本著色 室町15〜16世紀
9    14世 虎室春策頂相   1幅 絹本著色 桃山17世紀
10    15世 謙室呑益頂相   1幅 紙本著色 桃山17世紀
11    26世 月舟宗胡頂相   1幅 紙本著色 江戸18世紀
12    27世 卍山道白頂相   1幅 絹本著色 江戸18世紀
13    浄明院画像 月舟賛 本多政長 1幅 絹本墨画淡彩 江戸17世紀
14 県文 千体仏図   1幅 絹本著色 室町15世紀
15   十三仏図   1幅 絹本著色 室町16世紀
16   渡唐天神図 信甫 1幅 絹本著色 室町14〜16世紀
17 県文 十六羅漢図 長谷川左近 12幅 紙本墨画 江戸17世紀
18   羅漢図   1幅 紙本著色 室町16世紀
19 県文 四季耕作図 伝狩野光信 6曲1双 紙本金地著色 桃山16〜17世紀
 
古九谷
1  県文 色絵布袋図平鉢
2  県文 色絵鳳凰図平鉢
3  県文 色絵鶉草花図平鉢        
4  県文 色絵鶴かるた文平鉢
5  県文 色絵百花散双鳥図平鉢  
6  県文 青手樹木図平鉢           
7  県文 青手桜花散文平鉢        
8  色絵宝尽鷺文平鉢
9  色絵牡丹文平鉢                                    
10  色絵石畳双鳳文平鉢
11  色絵海老藻文平鉢
12  青手葡萄図平鉢