加賀藩と寛永文化 —本阿弥光悦と前田家—
  (企画展「俵屋宗達と琳派」 第4章)
前田育徳会尊經閣文庫分館
    平成25年9月13日(金)〜10月14日(月・祝)  会期中無休

 俵屋宗達が活躍した江戸時代初期の寛永時代を中心として、京都で花開いた文化が寛永文化と呼ばれています。そして、その寛永文化の中心的存在が後水尾天皇(一五九六〜一六八〇)です。
徳川幕府は封建体制の確立とともに、皇族や公家から政治を分離させ、学芸に専念させる事を目的に、「禁中並公家諸法度」を発布しますが、後水尾天皇はこうした政策を逆手にとるかのように、朝廷やその周辺の文化人たちとともに茶道文化を中心に、平安朝の王朝文化が融合させ、さらには儒教や禅の精神を包括した日本文化史上特筆すべき寛永文化の中心的存在として活躍するのでした。
この時代の加賀藩に目を転ずれば、三代前田利常(一五九四〜一六五八)の時代です。
利常は大藩で外様大名という前田家から徳川政権の警戒をやわらげる為に、文化政策に加賀藩の存在意義を求め、後水尾天皇を範として、当時の京の都における超一流の文化を学び吸収することで、加賀の文化の礎を築いたのでした。後水尾天皇をはじめ、八条宮家、近衛家、さらには本阿弥光悦、小堀遠州、松花堂昭乗といった寛永文化の人々と、利常やその家臣たちとの確かな文化交流を、現在、前田育徳会が所蔵する後水尾天皇ゆかりの作品、小堀遠州と前田利常の書状、さらには本阿弥光悦と加賀藩の家臣たちとの書状などを中心とした一六点の作品から、江戸時代初期の京都と加賀の文化交流を紹介しますので、「俵屋宗達と琳派」の展覧会と合わせてご覧ください。


No 作品名 作者名 所蔵先
58 天神画像  法性房画
後水尾天皇賛
東京 前田育徳会
59 松竹梅蒔絵箱 伝五十嵐道甫作 東京 前田育徳会
60 後水尾天皇御宸翰 忍   東京 前田育徳会
61 後水尾天皇御宸翰消息        東京 前田育徳会
62 後水尾天皇御宸翰懐紙    東京 前田育徳会
63 後水尾天皇女房奉書   東京 前田育徳会
64 近衛信尋消息 後水尾天皇御宸翰勘返    東京 前田育徳会
65 近衛信尹色紙    東京 前田育徳会
66 八条宮智忠親王短冊   東京 前田育徳会
67 女三十六歌仙色紙雉図屏風                   東京 前田育徳会
68 小堀遠州消息 前田利常勘返  廿九日   東京 前田育徳会
69 前田利常消息 小堀遠州勘返  卯月廿四   東京 前田育徳会
70 本阿弥光悦消息   東京 前田育徳会
71 葡萄図 松花堂昭乗画
玉室宗珀賛
東京 前田育徳会
72 松花堂昭乗消息      東京 前田育徳会
73 松花堂昭乗消息      東京 前田育徳会
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