すわる・かたち  —人体彫刻—
第4展示室
  平成25年6月28日(金)〜7月21日(日)  会期中無休

 本展は人体をモチーフにした彫刻作品のうち、すわる姿の作品のみを展示するものです。
 すわるポーズの作品は「立つ」ポーズの作品に比べ姿態の多様さは元より、手足の動きや持物などが多彩で、また腰かけるものなども多種で、豊富なバリエーションが展開しています。このことは立つに比べ、すわるの同義・類似の言葉が多く見えることからも窺えるものです。
 このような「すわる」作品では、作品テーマが広がるとともに作品背景の情景や物語性・叙情性など様々な要素との関連も広がりやすくなる。さらに立像作品で必要な「きちんと立って見える」という基本的な難しさからも解放されることが期待される—この点こそが最大のメリットかも知れない—。それは作品制作における制約減少であり、同時に作品創作の自由度拡大が期待されるものといえましょう。さて「疲れたから座る」というように楽ちんな体位としてイメージされる「すわる」姿ですがなかでも正座はわが国にあっては正式な座法として躾や作法・礼法の基本としてあり、伝統的な精神文化とも関連が見えるように、すわる姿一つにも各国の生活文化とも関連が見え、深い意味を持つものもあるようです。
 すわる姿のもつ豊かな展開と多彩な表情をお楽しみください。
NO 作  品  名 作 者 名 制作年 初 出 展 受 賞 材 質
1 人物像 朝倉文夫     ブロンズ
2 孤影 石田康夫 昭和63年(1988) 第20回改組日展 FRP
3 立てひざの女 畝村直久 昭和32年(1957) 第13回日展 ブロンズ
4 畝村直久 昭和37年(1962) 第14回朝日展 ブロンズ
5 道化師 円鍔勝三 昭和54年(1979)  
6 聖牛 大内靑圃     ブロンズ
7 歌郷 尾形喜代司 昭和51年(1976)  
8 裸婦(座像) 木下繁 昭和53年(1978) 第10回改組日展 ブロンズ
9 木村珪二 昭和1年(1926)   石膏
10 思惟 坂坦道 平成8年(1996) 第28回改組日展 FRP
11 坂坦道 昭和48年(1973) 第5回改組日展 FRP
12 笛人 澤田政広 昭和49年(1974)  
13 見果てぬ夢 清水良治 平成15年(2003)   ブロンズ
14 潮音 新谷英夫 昭和18年(1943) 大政翼賛会美術展奉祝展 ブロンズ
15 腰かける女 高田博厚 昭50年(1975)   ブロンズ
16 大地の彼方に 谷村俊英 平成21年(2009) 第65回現代美術展 石膏
17 裸婦 土田実 昭和10年(1935)   石膏
18 草笛 中島東洋 昭3年(1928) 第9回帝展 ブロンズ
19 夏に想う 野畠耕之介 昭和53年(1978) 第8回日彫展 FRP
20 野畠耕之介 昭和57年(1982) 第14回日展 FRP
21 かたらい 松田尚之 昭55年(1980) 第12回改組日展 ブロンズ
22 松田尚之 昭和17年(1942) 第5回新文展 ブロンズ
23 口笛 宮地寅彦 昭和58年(1983) 第15回改組日展 ブロンズ
24 腕を組む裸婦 森豊一 昭和年(20世紀)   ブロンズ
25 座る女 森豊一 昭和27年(1952)   石膏
26 満州風景(1) 吉田三郎 昭和32年(1957) 第33回白日会展 ブロンズ
27 満州風景(2) 吉田三郎 昭和33年(1958)   ブロンズ
28 友禅像 吉田三郎 昭和28年(1953)   ブロンズ
29 米林勝二 昭和27年(1952)   石膏
第4展示室前
  大将の椅子 富永直樹 昭和60年(1985)   ブロンズ
  前のページに戻るトップページ