「加賀百万石の大名  —武の装い—」  
前田育徳会尊經閣文庫分館
 平成25年 4月21日(日)〜6月23日(日) 会期中無休

  「金沢百万石まつり」は、加賀藩祖・前田利家が賤ヶ岳の戦いの後、天正十一年(一五八三)四月二十八日(新暦六月十四日)に尾山城(金沢城)に入城し、金沢の礎を築いた偉業をしのんで毎年開催されていますが、その時期に合わせて、前田育徳会が所蔵する加賀藩主代々の甲冑や陣羽織を公開する毎年恒例の展覧会です。
 歴代藩主によって工夫が凝らされた具足には妙味があり、また陣羽織には高価な羅紗やビロードを用いて、奇抜で斬新なデザインを施したものが多く伝えられています。今回の展示は、三代利常(としつね)、十一代治脩(はるなが)、十二代斉広(なりなが)、十三代斉泰(なりやす)、十四代慶寧(よしやす)の甲冑と陣羽織に、九代重靖(しげのぶ)、十代重教(しげみち)、十一代治脩(はるなが)の「軍装図録」(文化二年(一八〇五)に牧昌左衛門が、初代利家から十一代治脩まで各代の甲冑や陣羽織等を四帖に収録したもの)、鞍・鐙、さらには前田家が加賀・能登・越中の三国を領有する端緒となった、天正十二年(一五八四)の末森の戦いで、佐々成政側が戦場で置き忘れていった、いわゆる前田利家側の分捕り品である「石目筒」などを展示します。

No 作 品 名 伝 来 数量 作家名等 制 作 年
1 六十二間筋兜   1頭 明珍信貞  
2 六十二間星兜   1頭 明珍信家  
3 石目筒   2丁   桃山16世紀
4 黒皺革包総角文蒔絵鞍   1背   江戸/万治3年(1660)
5 猿置文鞍   1背   江戸/正保2年(1645)
6 時代鞍   1背 伝大坪道禅 室町15世紀
7 黒塗薄文蒔絵鞍   1背   江戸/寛文4年(1664)
8 障子文金銀象嵌鐙   1双   江戸18世紀
9 紗綾形に丸龍文象嵌鐙   1双 勝尾永秀 江戸19世紀
10 篭目に千鳥文銀象嵌鐙   1双 勝尾永政 江戸19世紀
11 瓢箪文銀象嵌鐙   1双 木坂重宗 江戸18世紀
12 黒塗六十二間甲冑 三代利常所用 1具   江戸17世紀
13 唐冠形甲冑 十一代治脩所用 1具   江戸18世紀
14 鉄十六間甲冑 十四代慶寧所用 1具   江戸19世紀
15 日の出に立波文陣羽織 十一代治脩所用 1領   江戸18世紀
16 日の出に立波文陣羽織 十三代斉泰所用 1領   江戸19世紀
17 丸龍に八卦文陣羽織 十四代慶寧所用 1領   江戸19世紀
18 水引文金銀象嵌鐙   1双   江戸17〜18世紀
19 亀文銀象嵌鐙   1双 銘加州住吉平作 江戸17〜18世紀
20 角繋文銀象嵌鐙   1双   江戸17〜18世紀
21 雪降竹文銀象嵌鐙   1双 銘氏政作 江戸17〜18世紀
22 二重菱の内花菱文銀象嵌鐙   1双 銘金沢住盛定作 江戸17〜18世紀
23 真向兎文銀象嵌鐙   1双 銘金沢住盛定作 江戸17〜18世紀
24 加賀藩軍装図録 4   1帖 牧昌左衛門 江戸/文化2年(1805)
25 甲冑 12代斉広所用 1具   江戸19世紀
26 甲冑 13代斉泰所用 1具   江戸19世紀
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