春の優品選-絵画を中心に-

 
前田育徳会尊經閣文庫分館
 平成25年 3月28日(木)〜4月16日(火) 会期中無休

 日本の春は「桜」といっても過言ではありません。春を感じていただける作品を中心に展示いたしますので、兼六園のお花見とともにお楽しみください。主要作品を紹介します。
 「鳥画帖」 十八世紀半ば以降、博物学好きの大名の間では、緻密な写生図による図譜がまとめられるようになりました。ことに鳥に対する関心が高まり、鳥を籠の中で飼育し飼いならす「飼鳥」が流行し、珍鳥をはじめ鳥類の写生図は大名たちの興味を満たすものとして重宝されました。この「鳥画帖」には鶴・雁・鴨など鳥類の様々な姿が三帖に七十七図描かれています(展示は第一帖のみ)。精緻に描かれた鳥類とともに、木々や草花・流水などが描かれ、博物学的な目的を果たしただけでなく、絵師にとっては絵画制作の見本ともなっていたことがうかがえます。
 「鷹狩図絵巻」 六代梅田九栄筆 支配者の狩猟活動は権威の象徴的な意味を持つものです。鷹狩は古くから行われ、江戸時代には徳川家康をはじめ代々の徳川将軍が鷹狩を好んだこともあって、武家社会における鷹狩の重要性を物語るものとなり、前田家においても重要な行事であったことは言うまでもありません。加賀藩の御用を務めた六代梅田九栄が描いたこの絵巻は、鷹狩の光景を四季おりおりの風情を織り交ぜながら極彩色で流麗に描かれています。春と夏の巻を展示します。
 他に、「黒塗村梨子地桜寿帯鳥文蒔絵鞍・鐙」や「桜樹幔幕文蒔絵広蓋」等の工芸品を展示します

No 作  品  名 作 者 名 員  数 時   代
1 林和靖・花鳥図 山本梅逸 3幅 江戸19世紀
2 鷹狩図絵巻 六代梅田九栄 4巻のうち2巻 江戸18世紀
3 鳥画帖   3帖のうち2帖 江戸18世紀
4 黒塗村梨子地桜寿帯鳥文蒔絵鞍・鐙   1具 江戸/明暦2年1656
5 蒔絵広蓋
熨斗水引文・桜樹幔幕文・花車文
  3重 江戸18世紀


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