刀剣の美
第2展示室
 平成26年2月15日(土)〜3月22日(土) 会期中無休


 万葉集に「出(い)で立ちのくはしき山ぞ」とあるように、「くはし(細し)」は美をあらわす言葉でした。それは山を形容していることから、繊細さというよりは、凜とした美しさに用いられたと考えられます。広く日本刀と呼ばれている刀剣の美も、このような歴史的な美意識に立脚しているのではないでしょうか。刀剣は武器として制作されたものです。したがって、用を極限まで追求したところに美が現れます。ですから「刀剣の美」は装飾を加えてゆく美ではなく、そうした思いをそぎ落としたところに立ちのぼる、凜とした美しさということができます。
 今回は館蔵品、寄託品の中から、正宗を始めとする鎌倉〜室町時代の比較的よく知られた刀匠の作品と、室町時代から江戸時代まで加賀の地で作られた、いわゆる加州刀を約二十口展示して、日本刀の歴史における加州刀の特質の一端をご紹介します。  この中には、戦後連合国軍に武装解除の一環として接収された刀剣類のうち、東京都北区赤羽に集められたために、「赤羽刀」と呼ばれていたものが含まれています。
 「赤羽刀」はその後一部が日本に返却され、所有者不明の数千点が長年東京国立博物館に保管されていました。やがて平成11年に、それぞれの刀剣にゆかりの深い各地の博物館施設に譲与されました。今回展示するのは、譲与された後に当館において研磨したものです。

番号
指定
作品名 作者名 など 年代
1
  短刀 銘国光 新藤五国光 鎌倉14世紀
2
  短刀 無銘正宗 正宗 鎌倉14世紀
3
重美
太刀 銘一 景安 鎌倉13世紀
4
  太刀 銘貞宗 号日本丸 伝 貞宗 鎌倉14世紀
5
  脇指 無銘近景 近景 鎌倉14世紀
6
  短刀 無銘義弘 郷 義弘 鎌倉14世紀
7
  刀 銘備州長船則光作  永正三年八月 日 則光 室町 1506年
8
  刀 銘藤嶋友重 藤嶋友重 室町 1446年
9
  脇指 銘藤嶋友重 藤嶋友重 室町 14〜16世紀
10
  脇指 銘藤嶋友重 藤嶋友重 室町 14〜16世紀
11
  刀 銘家次作 家次 室町 14〜15世紀
12
  刀 銘家次 家次 室町 16世紀
13
  刀 銘加州藤原住家次 家次 室町 16世紀
14
  刀 銘家重 家重 室町 16世紀
15
  刀 銘勝家 勝家 室町 16世紀
16
  刀 銘勝光 勝光 室町 16世紀
17
  刀 銘勝光 勝光 室町 16世紀
18
  刀 銘清光 清光 室町 16世紀
19
  刀 銘景光 景光 室町 16世紀
20
県文
刀 銘越中守藤原高平(花押) 初代辻村兼若 江戸 1621年
    元和七年十二月 日    
21
県文
刀 銘加州住兼若 三代辻村兼若 江戸 17世紀
  霊護/寛政庚申仲冬十七/支禦危難子孫    
 古九谷  
1
県文 色絵布袋図平鉢    
2
県文 色絵鳳凰図平鉢     
3
県文 色絵鶉草花図平鉢            
4
県文 色絵鶴かるた文平鉢    
5
県文 色絵百花散双鳥図平鉢      
6
県文 青手樹木図平鉢               
7
県文 青手桜花散文平鉢            
8
色絵宝尽鷺文平鉢    
9
色絵牡丹文平鉢     
10
色絵石畳双鳳文平鉢    
11
色絵海老藻文平鉢    
12
青手葡萄図平鉢    
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