石川の近代彫刻をふりかえって  第4展示室
  平成24年12月1日(土)〜12月24日(月・祝) 会期中無休 
 
畝村直久作 女(ポニーテール)
女(ポニーテール)畝村直久作
 

 本年は、当県を代表する彫刻家たちの遠忌の区切りを迎える年回りといえましょう。先ず4月から5月にかけて特集展示を開きました吉田三郎は没後50年でしたが、吉田に止まらず、畝村直久は没後10年、長谷川八十同30年、田中太郎同20年、米林勝二同10年と揃って没後の区切りを迎える年となっています。本展は畝村・長谷川・田中・米林の4氏について館蔵品を中心にその足跡をたどるものです。
 さて以上4人の彫刻家たちは、作風がそれぞれ異なることは元よりテーマや表現様式ほか所属した美術団体、また彫刻制作以外でもその生涯における活動も大きく異なっており、各作家の人となりを含めそれぞれ個性的な展開を示しています。
 金沢市生まれの畝村直久は戦後の具象彫刻の発展を予感させるシャープで都会的な作品を制作し、日展で活躍しました。同じく金沢市生まれの長谷川八十は二科会から二紀展に参加して活躍、絶えず斬新な造形を模索し、また金沢美大教授として後進の指導にも当たりました。
 七尾市生まれの田中太郎は院展で活躍し、得意とした木彫ほか塑造でも多彩な制作を行いました。そして金沢市生まれの米林勝二は幅広く彫刻制作を行ったほか、金沢大学教授として後進の指導にもあたり、また地域の文化財行政などにも長年携わりました。
 以上、本県を代表する彫刻家たちの多彩な作品をご覧下さい。

 

  作  品  名 作 者 名 制作年 初 出 展 受 賞 材 質
畝村直久 
1 婦人の首 畝村直久 昭25(1950) 第6回日展特選 ブロンズ
2 未完の像(絶作) 畝村直久 昭37(1962) 第5回新日展 ブロンズ
3 畝村直久 昭37(1962) 第14回改組日展 ブロンズ
4 立ひざの女 畝村直久 昭32(1957) 第13回日展 ブロンズ
5 新しき拓人 畝村直久 昭15(1940) 奉祝展 ブロンズ
6 若い都会の女 畝村直久 昭7(1932) 第13回帝展特選 ブロンズ
7 女(ポニーテール) 畝村直久 昭34(1959) 第2回新日展 ブロンズ
長谷川八十
8 軍鶏 長谷川八十 昭52(1977) 第31回二紀展 ブロンズ
9 長谷川八十 昭和(20世紀)          ブロンズ
田中太郎
10 田中太郎 昭50(1975)       
11 倒立 田中太郎 昭52(1977)       
12 田中太郎 昭52(1977)       
13 会話 田中太郎 昭34(1959)       
米林勝二
14 米林勝二 昭27(1952) 第8回日展 石膏
15 木陰の女 米林勝二 昭43(1968) 第11回新日展 FRP
16 みのり 米林勝二 昭20(1945) 第1回現展金沢市長賞 石膏
17 首(女) 米林勝二 昭25(1950)         石膏
18 首(女) 米林勝二 昭63(1988)         石膏
19 首(ひげの男) 米林勝二 昭56(1981)         石膏
祈り
20 山羊を飼う老人 吉田三郎 昭18(1943) 第16回新文展 ブロンズ
21 平和(1) 吉田三郎 昭19(1944)         ブロンズ
22 平和(2) 吉田三郎 昭21(1946)       ブロンズ
23 思惟 坂 坦道 平8(1996) 第28回改組日展 FRP
24 昇華 石田康夫 昭46(1971) 第3回改組日展特選 石膏
25 久遠 木村珪二 昭40(1965) 第8回新日展 ブロンズ
26 Miserere Ⅵ 中村晋也 平成8(1996) 第28回改組日展 ブロンズ
27 散華 松田尚之 昭58(1983)     石膏
28 コンポジション 祈り 長谷川大治郎 昭60(1985) 第71回二科展

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