新保甚平展 −風景巡礼−   第3展示室
 平成24年12月1日(土)〜12月24日(月・祝) 会期中無休
 
風景巡礼 新保甚平展

 

 

 新制作協会会員の洋画家 新保甚平氏の、金沢美術工芸大学卒業時から現在までの創作の歩みを、25点の作品によりご覧いただきます。

 新保氏は昭和24年小松市生まれ。パリ国立美術学校留学を経て52年金沢美術工芸大学油画を卒業。56年新制作協会展に初入選し、以後、平成4年、18・19年、同展新作家賞受賞。また、7年昭和会展優秀賞、9年安井賞展に出品し、10年には文化庁派遣芸術家在外研修員としてイタリアで学びました。
 新保氏の描画法はテンペラと油彩による混合技法を主としたもので、正面構図や装飾性と省略性、空間の扱い、しっとりとした艶消しの画面など、日本画に通じる叙情性を漂わせています。

 メインとなるテーマは各地の水門や発電所で、実像と水面に映える鏡像とが交差した風景が、色彩を抑えて描き続けてきました。実像と鏡像との組み合わせは千変万化で、尽きることのない興趣を作家は感じてきたことでしょう。
 そして平成10年以降、色彩を一気に解放したかのような、イタリアの明るくカラフルな風景が加わり、新保氏の描く世界は大きく広がりを見せました。構図の自在性と表現の多様性が増し、これまで描いてきたテーマを様々な角度から検証するかのようでもあります。

 どうぞ、新保甚平氏が謙虚に対峙して描き綴ってきた風景画の世界をご堪能ください。

 

◆講演会のご案内

日 時 12月1日(土)午後1時30分〜
会 場 美術館ホール 聴講無料
講 師 新保甚平氏(洋画家・新制作協会会員)
演 題 「もう少し・・・」  作者が、作品と制作の歩みについて語ります。
 
   
作品名 制作年 技法素材 出品、受賞歴
1 T君へ 1977年 油彩 金沢美術工芸大学卒業作
2 白い工場 1981年 油彩 第45回新制作展
3 白い発電所 1984年 油彩 第48回新制作展
4 雨上がりの水門 1988年 油彩 第52回新制作展
5 冬の音 1992年 混合技法 第56回新制作展新作家賞
6 水辺 1993年 油彩 第3回浅井忠記念賞展
7 青空と水門 1997年 油彩 第40回安井賞展
8 In memory of her father 1997年 油彩 第61回新制作展
9 献花 1998年 油彩 第62回新制作展
10 『奇蹟』から 1998年 油彩  
11 黄金の時アルノ川 1999年 混合技法 日動画廊個展
12 廻廊の午後 1999年 混合技法 第63回新制作展
13 赤い水門 2001年 混合技法 第65回新制作展
14 平和の眺め 2002年 混合技法 日動画廊個展
15 母に捧ぐ 2003年 混合技法 第67回新制作展
16 花のフレンツェ 2005年 混合技法  
17 水門 2006年 混合技法 第70回新制作展新作家賞
18 白い発電所 2007年 混合技法 第71回新制作展新作家賞
19 手取川 2008年 混合技法 第50回小松美術展
20 光る水 2010年 混合技法 第74回新制作展
21 初夏の光 2011年 混合技法 第75回新制作展
22 せせらぎの春 2011年 混合技法 第75回新制作展
23 ユダヤ人墓地(プラハ) 2012年 混合技法 第52回小松美術展
24 光る水 2012年 混合技法 第76回新制作展
25 雪と地 2012年 混合技法 第76回新制作展
油彩画コレクション展示
  作者名 作品名 制作年 初出展覧会受賞
1 鴨居 玲 望郷を歌う(故高英洋に) 1971年  
2 鴨居 玲 1982年 私 1982年  
3 高光一也 カサブランカ 1975年 第7回改組日展
4 高光一也 馬に凭る(B) 1980年 第66回光風会展
5 田辺栄次郎 砂漠の町ヒワ 1986年
6 藤本東一良 ペギーの道 1973年 第5回改組日展
7 南 政善 インドネシアの女 1954年 第10回日展
8 宮本三郎 裸女達に捧ぐ 1969年 第23回二紀展
9 宮本三郎 1972年  
10 村田省蔵 凛として 2009年  
11 森本仁平 湖畔のはす田 1995年 森本仁平展

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