大乗寺の文化財 加賀に伝わる曹洞宗の名宝  第2展示室
 平成24年12月1日(土)〜12月24日(月・祝) 会期中無休

 曹洞宗と言えば開祖道元が越前に開いた永平寺、そして現在の本山がある横浜總持寺が思い浮かびます。しかしその歴史をたどると、輪島門前の總持寺祖院が明治以前の本山とされています。曹洞宗四世の瑩山紹瑾が、能登の諸嶽観音堂に招かれ、寺号を總持寺、山号は諸嶽山と改名して禅院としたことにより始められたものです。
 その瑩山は加賀大乗寺の二世として知られます。大乗寺より能登に赴いて宗勢を広めたのですが、この時代は大乗寺が加賀曹洞宗の中心であったことを示しています。大乗寺は永平寺以外で最初に建てられた曹洞宗寺院であることから、「曹洞宗第二の本山」とも称されました。鎌倉時代末、永平寺より招かれた徹通義介が野市(現在の野々市)にある真言寺院を禅寺として開山しました。それが大乗寺の始めです。このとき徹通は道元の伝来した数々の文化財を大乗寺に持ち込みました。
 今回展示する『佛果碧巌破関撃節』(一夜碧巌集)や『支那禅刹図式』(寺伝五山十刹図) はその代表的なものです。
 その後、寺地は木の新保(現在の金沢市本町)、本多町と移り、元禄の頃に長坂に移転して今日まで続いています。
 現在、大乗寺に伝世する文化財は当館に一括寄託されており、古文書・絵画・工芸など総数およそ400点にのぼります。今回の展示では、重要文化財をはじめとする多くの文化財を紹介します。

指定 作品名 作者 年代 材質技法
1 重文 佛果碧巌破関撃節上・下(一夜碧巌集) 希玄道元 鎌倉13世紀 紙本墨書
2 重文 羅漢供養講式稿本断簡 希玄道元 鎌倉13世紀 紙本墨書
3 重文 韶州曹溪山六祖師壇経    鎌倉13世紀 紙本墨書
4 重文 三代嗣法書 徹通義介ほか 鎌倉〜南北朝14世紀 紙本墨書
5 重文 支那禅刹図式(寺伝五山十刹図)     鎌倉13世紀 紙本墨書
6     足利尊氏他 教書、安堵状 足利尊氏ほか 室町14〜16世紀 紙本墨書
7     大智禅師墨跡 天神名号 大智 南北朝14世紀 紙本墨書
8     綸旨  永正14年  勅願寺を賜う     永正14年(1517) 紙本墨書
9 県文 開山 徹通義介頂相 菊堂祖英 永享6年(1434) 絹本著色
10 県文 3世 明峯素哲頂相    室町15〜16世紀 絹本著色
11     26世 月舟宗胡頂相    江戸18世紀 紙本著色
12     27世 卍山道白頂相    江戸18世紀 絹本著色
13     浄明院画像 月舟賛 本多政長 江戸17世紀 絹本墨画淡彩
14 県文 千体仏図     室町15世紀 絹本著色
15    十三仏図     室町16世紀 絹本著色
16    渡唐天神図 信甫 室町14〜16世紀 絹本著色
17    妙法蓮華経     高麗(1315) 紺紙金泥
18    花鳥図     明(15〜16世紀) 絹本著色
19    花車図     江戸(18〜19世紀) 紙本金地着色
20    払子 天童如浄     宋12〜13世紀     
21    払子 希玄道元     鎌倉13世紀     
22    払子 徹通義介     鎌倉13〜14世紀     
23    払子 瑩山紹瑾     鎌倉14世紀     

古九谷

No. 指定 作品名   制作年代
1 重美・県文 色絵布袋図平鉢 古九谷 江戸17世紀
2 県指定文化財 色絵鳳凰図平鉢 古九谷 江戸17世紀
3 県指定文化財 色絵鶉草花図平鉢 古九谷 江戸17世紀
4   色絵海老藻文平鉢 古九谷 江戸17世紀
5 県指定文化財 色絵百花散双鳥図平鉢 古九谷 江戸17世紀
6   色絵牡丹文平鉢 古九谷 江戸17世紀
7 県指定文化財 青手樹木図平鉢 古九谷 江戸17世紀
8   青手椿図平鉢 古九谷 江戸17世紀
9   青手老松図平鉢 古九谷 江戸17世紀
10   青手図罌粟図平鉢 古九谷 江戸17世紀
11 県指定文化財 青手桜花散文平鉢 古九谷 江戸17世紀
12   青手葡萄図平鉢 古九谷 江戸17世紀
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