秋の優品選 - 琳派を中心に − 第2展示室
平成24年9月1日(土)〜10月21日(日) 会期中無休

 桃山時代末期の慶長年間( 1568〜1614)、京都に新しい造形運動が生まれました。その特徴は、平安時代末期の12世紀に制作された「平家納経」や「源氏物語絵巻」に代表される善美を尽くした造形を、新たな時代感覚のもとに復興することでした。
 中心となった人物は本阿弥光悦(1558〜1637)で、能書家として活躍する一方本の 装丁や漆芸、陶芸なども手がけるなど、今日で 言うアートディレクター的な仕事をしていたよ うです。そして、光悦が和歌などを揮毫する料 紙の装飾を担当していた一人が俵屋宗達(生没 年未詳)でした。
 宗達は扇や色紙に絵を描くなど、絵屋を主宰 する町絵師だったと考えられています。しかし 千利休の嗣子、少庵を振舞に招くなど高度な教 養もありました。やがて宗達は光悦との共同作 業を離れて独立した画人として活躍し、「風神 雷神図」をはじめ多くの個性あふれる名作を描 きました。その宗達が世を去って百年余り後 に、尾形光琳(1658〜1716)が京都の 呉服商「雁金屋」の次男として生まれました。 光琳は光悦や宗達に私淑し、生来の卓越したデ ザイン感覚で先人の作風を様式化しました。そ こで今日、光悦に始まる一連の造形運動が「琳 派」と総称されるようになりました。今回の特 集では、これら三人による書跡、絵画、漆芸の 優品を展示します。
 
番号 指定 作品名 作者名 年代
1 和歌扇面画賛 本阿弥光悦 桃山〜江戸17世紀
2 石川県文 光悦色紙貼交秋草図 本阿弥光悦 江戸17世紀 個人蔵
3 石川県文 槇檜図 俵屋宗達 江戸17世紀
4 石川県文 群鶴図 俵屋宗雪 江戸17世紀 個人蔵
5 石川県文 秋草図 喜多川相説 江戸17世紀
6 石川県文 蒔絵螺鈿白楽天図硯箱 尾形光琳 江戸18世紀
7 石川県文 蒔絵螺鈿野々宮図硯箱 尾形光琳 江戸18世紀
古九谷 9月1日(土)〜10月21日(日)
番号 指定 作品名 時代
1 石川県文 色絵布袋図平鉢 江戸17世紀
2 石川県文 色絵鳳凰図平鉢 江戸17世紀
3 石川県文 色絵鶉草花図平鉢 江戸17世紀
4   色絵鶴かるた文平鉢 江戸17世紀
5 色絵百花散双鳥図平鉢 江戸17世紀
6 石川県文 青手樹木図平鉢 江戸17世紀
7 石川県文 青手桜花散文平鉢 江戸17世紀
8 色絵宝尽鷺文平鉢 江戸17世紀
9 色絵牡丹文平鉢 江戸17世紀
10 色絵石畳双鳳文平鉢 江戸17世紀
11 色絵海老藻文平鉢 江戸17世紀
12 青手葡萄図平鉢 江戸17世紀
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