この特集展示は、今年のＮＨＫ大河ドラマ「平清盛」放映に合わせて、前田育徳会尊經閣文庫が所蔵する「平清盛とその時代」に関連する書籍を中心に公開するものです。
　「祇園精舎の鐘の声　諸行無常の響きあり　沙羅双樹の花の色　盛者必衰の理をあらわす　おごれる人も久しからず　ただ春の夜の夢のごとし　たけき者もついには滅びぬ　偏に風の前の塵に同じ」の有名な書き出しで始まる『平家物語』は、鎌倉時代に成立したと思われる、平家の栄華と没落を描いた軍記物語です。
　この『平家物語』に登場する平清盛や源頼朝をはじめ、保元・平治の乱、南都焼き討ち、倶利伽羅峠の戦い、壇ノ浦の戦いなどの主要な人物や事件をとりあげて展示構成するとともに、あわせてその時代を紹介いたします。
　出品作品には、国宝「広田社二十九番歌合」(藤原俊成筆)や、当館では初出品となる重文「仏舎利奉納願文」(九条兼実筆)などの貴重な指定文化財を含みますが、この２点は前期後期で展示替をいたしますのでご了承ください。「前田育徳会の指定文化財は、今年は何が出品されますか？」と、毎年恒例のようにお問い合わせをいただきますが、この機会にぜひご鑑賞ください。
　このほか、「待賢門合戦図屏風」（伊年印)や「平家納経」（田中親美模写）も展示しますので、大河ドラマと合わせてお楽しみください。

7/19〜8/1