彫刻 特集 没後50年 彫刻家 吉田三郎展  第4展示室
 平成24年4月22日(日)~5月13日(日) 会期中無休     

 本年没後50年を数える彫刻家吉田三郎の回顧展を開催します。吉田三郎 (明治22~昭和37/1889~1962 享年73)は石川を代表する彫刻家の一人で金沢市出身。石川県立工業学校(県工)から東京美術学校(現、東京芸大)へ進学し、彫刻を学びます。県工時代には生涯、師と仰いだ板谷波山と青木外吉の指導を受け、また美術学校の同級生には北村西望、建畠大夢、斉藤素巌など、よきライバルとして切磋琢磨する仲間にも恵まれ、共に官展で活躍し、芸術院会員を勤めます。

吉田三郎の作品は筋骨逞しい男性像を中心とするもので、若い時は労働者像など社会的テーマが見えますが、後年は群像や空間性を意識した作風へと移ります。また肖像彫刻や小動物作品も多く手がけており、特に肖像は「写実の名手」と謳われた吉田三郎の得意とするものの一つで、像主の人となりから雰囲気までもを伝えています。なかでも芸術家をモデルにした首作品は、各像主の個性や深い人間性が溢れる優品群となっています。

吉田三郎には郷土との深い繋がりも窺えます。東京田端文士村に住み、多くの芸術家や室生犀星を含む文人仲間の中心的存在でした。吉田を頼って本県から多くの美術家が訪れたと言われています。

 展示は館蔵品を中心に吉田作品を概観するもので、現在、当館の近代彫刻コレクションの柱ともなっているものです

No.  作 品 名 制 作 年 初 出 展 受 賞 材 質
1 パリーの女 昭和7 (1932)   ブロンズ
2 或る坑夫 昭和17 (1942)   ブロンズ
3 山羊を飼う老人 昭和18 (1943) 第6回新文展 ブロンズ
4 平和(1) 昭和19 (1944)   ブロンズ
5 平和(2) 昭和21 (1946)   ブロンズ
6 試作 昭和21 (1946) 第2回日展 ブロンズ
7 男立像 昭和24 (1949) 第5回日展 ブロンズ
8 再起 昭和25 (1950)   ブロンズ
9 雲に漂う 昭和28 (1953) 第9回日展 ブロンズ
10 昭和29 (1954)   ブロンズ
11 子供群像 昭和29 (1954)   ブロンズ
12 四高記念像 昭和32 (1957)   ブロンズ
13 友禅像 昭和28 (1953)   ブロンズ
14 俵屋宗達像 昭和   ブロンズ
15 青木外吉像 昭和27 (1952)   石膏
16 野口英世像 昭和28 (1953)   ブロンズ
17 南喜一像 昭和30 (1955)   石膏
18 北村西望像 昭和30 (1955) 第11回日展 ブロンズ
19 高峰譲吉像 昭和31 (1956)   ブロンズ
20 金山平三像 昭和32 (1957) 第13回日展 ブロンズ
21 遊佐幸平像 昭和33 (1958) 第1回新日展 ブロンズ
22 西川外吉像 昭和33 (1958)   石膏
23 溝淵進馬像 昭和34 (1959)   ブロンズ
24 中村研一像 昭和34 (1959) 第7回日彫展 ブロンズ
25 辻永像 昭和35 (1960) 第3回新日展 ブロンズ
26 益谷秀次像 昭和35 (1960)   石膏
27 鈴木翠軒像 昭和36 (1961) 第4回新日展 ブロンズ
28 兎(1) 昭和10 (1935)   ブロンズ
29 日溜り 昭和26 (1951) 第7回日展 ブロンズ
30 老猿 昭和28 (1953)   ブロンズ
31 春日 昭和32 (1957)   ブロンズ
32 緑蔭 昭和33 (1958)   ブロンズ
33 満州風景(1) 昭和32 (1957)   ブロンズ
34 満州風景(2) 昭和33 (1958)   ブロンズ
35 曠野 昭和36 (1961) 第37回白日展 ブロンズ
36 七面鳥 昭和   ブロンズ
37 駝鳥(2) 昭和35 (1960)   ブロンズ
38 駝鳥(1) 昭和35 (1960)   ブロンズ
39 兎(2) 昭和35 (1960)   ブロンズ

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