特集 唐物への憧れ

  第2展示室
  平成24年3月29日(木)〜4月17日(火) 22日(日)〜5月13日(日) 会期中無休     

 古来、遠方から運ばれてきたもの、その中でも特に時代を経たものは珍重される傾向があるようです。唐物(からもの)とは、日本の中世から近世にかけて特別の価値を付与された、中国で制作された美術工芸品などの雅称です。改めて申し上げるまでもありませんが、この場合の「唐」とは概念的な中国一般を指し、唐時代に作られたという意味ではありません。そして、時としてインドや東南アジア、中東産と想定されるが産地が特定されるに至らない舶来品も、唐物とされる場合があります。
 唐物は、室町時代に書院における室礼(しつらい)の形式が確立されるにともなって重要な意義を持つものとして価値の体系化が図られました。足利将軍家では、同朋衆である能阿弥、芸阿弥、相阿弥らが唐物目利として優品の選定を行っています。その成果は、彼らが編纂した『君台観左右帳記』に伝えられています。
 今回の特集では、このような美意識の伝統によって室町時代から江戸時代を経て今日まで継承されている「唐物への憧れ」という視点から、主に中国の明時代の絵画、陶芸、漆芸作品を選んでみました。

No.
指定
作品
作者等
年代
所蔵者
1   羅漢図   明16世紀  
2 県文 十六羅漢図   明16世紀 総持寺祖院蔵
3   花鳥図   明16世紀 大乗寺蔵
4   松に鶴図   明16世紀 真宗大谷派金沢別院蔵
5   鷲之図 陳子和 明16世紀 個人蔵
6   青磁袴腰香炉   class="naiyou">南宋12〜13世紀  
7   青磁香炉   元13〜14世紀  
8   青磁鎬茶碗   南宋13世紀  
9   青磁鳳凰耳付杓立   南宋12〜13世紀  
10   青磁浮菊文花入   南宋〜元13〜14世紀  
11   青磁牡丹彫文平鉢   明15世紀  
12   鉄絵草花文掛香炉   元14世紀  
13   白地黒花牡丹文壷   元14世紀 個人蔵
14   三彩草花文陶枕   南宋12〜13世紀 個人蔵
15   五彩花木図鉢   明15世紀  
16   五彩人物文角合子   明16世紀  
17   五彩双龍文長合子   明16世紀  
18   五彩龍文透彫合子   明16〜17世紀  
19   呉須赤絵花鳥文平鉢 4 明17世紀  
20   呉須赤絵魚藻文鉢   明17世紀  
21   呉須赤絵玉取獅子文鉢   明17世紀  
22 県文 三彩金襴手双耳瓶   明15世紀 小松天満宮蔵
23   紫釉花鳥文水指   明16世紀  
24   堆黒花鳥図輪花鉢   明14世紀 個人蔵 【4月17日まで展示】
25   瑠璃染付餅花手平鉢   明17世紀 個人蔵 【4月22日より展示】
26 県文 存星梅竹双鳥図盆   明16世紀 個人蔵
27   存星花鳥図輪花盆   明16世紀 個人蔵

古九谷
 No.
指定
作品名 
 
制作年代
 
1 ○□ 色絵布袋図平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
2 色絵鳳凰図平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
3 色絵鶉草花図平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
4 色絵鶴かるた文平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
5 色絵百花散双鳥図平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
6 青手樹木図平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
7 青手桜花散文平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
8   色絵宝尽鷺文平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
9   色絵牡丹文平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
10   青手石畳双鳳図平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
11   青手松竹梅文平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
12   青手葡萄図平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口

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