大乗寺の文化財  第2展示室
  平成23年11月23日(水・祝)〜12月23日(金・祝) 会期中無休

 加賀の古刹大乗寺は、守護の富樫氏により鎌倉時代末、現在の野々市町に創建と伝えられます。後に永平寺より徹通義介(てっつうぎかい)を招き、この寺を禅寺として開山しますが、それにより大乗寺は、永平寺以外では最初に建てられた曹洞宗寺院であることから、「曹洞宗第二の本山」とも称されることになります。

 その後、永光寺・総持寺の開山でもある大乗寺二世瑩山紹瑾(けいざんしょうきん)、三世明峯素哲(めいほうそてつ)の時期に基礎が築かれ、室町時代には足利幕府の祈願寺として寺領・屋敷が安堵されました。ところが一向一揆によりその保護者を失い、平定した柴田勝家の兵火によって、堂宇も焼失しました。

 二代藩主前田利長の時代に、木の新保(現在の金沢市本町)に移転・再興され、慶長六年(1601)には加賀藩の老臣で本多家の家祖政重により、本多家下屋敷に隣接する石浦大乗寺坂下(現在の本多町)に移転します。今でも県立工業高校から石引台地へ登る坂を大乗寺坂と呼んでおり、その名残をとどめています。
 ついで元禄のころ、藩より与えられた現在の地に移転し、今日に続くことになるのです。

 現在、大乗寺に伝世する文化財は当館に一括寄託されており、古文書・絵画・工芸など総数およそ四百点にのぼります。今回の展示ではそのうちより、重要文化財の『佛果碧巌破関撃節』 (ぶつかへきがんはきゃくせつ)(一夜碧巌集)をはじめとする文化財を公開します。
 

指定 作品名 作者 年代 員数
1 重要文化財 佛果碧巌破関撃節上・下(一夜碧巌集) 希玄道元 鎌倉13世紀 2冊
2 重要文化財 羅漢供養講式稿本断簡 希玄道元 鎌倉13世紀 1巻
3 重要文化財 韶州曹渓山六祖師壇経   鎌倉13世紀 1帖
4 重要文化財 三代嗣法書 徹通義介ほか 鎌倉〜南北朝14世紀 1巻
5 重要文化財 支那禅刹図式(寺伝五山十刹図)   鎌倉13世紀 2巻
6   正法眼蔵嗣書断簡 希玄道元 鎌倉13世紀 1幅
7   足利尊氏他、教書・安堵状 足利尊氏ほか 室町14〜16世紀 1巻
8   綸旨 永正14年 勅願寺を賜う   永正14年(1517) 1幅
9 県指定文化財 開山 徹通義介頂相 菊堂祖英  永享6年(1434) 1幅
10   14世 虎室春策頂相   桃山17世紀 1幅
11   26世 月舟宗胡頂相   江戸18世紀 1幅
12   28世 明州珠心頂相   江戸18世紀 1幅
13   達磨図   室町16世紀 1幅
14   維摩居士図 矢田四如軒 江戸18世紀 1幅
15   羅漢図   室町16世紀 1幅
16   蝦蟇仙人図 東東洋 江戸19世紀 1幅
17 県指定文化財 四季耕作図 伝狩野光信 桃山16〜17世紀 6曲1双
18   徹通義介の払子   鎌倉13〜14世紀 1柄
19   瑩山紹瑾の払子   鎌倉14世紀 1柄
20   堆朱香盒   明15世紀 1合
21   蒔絵竹図硯箱 五十嵐派 桃山〜江戸17世紀 1合
22   屈輪八角硯箱   明15世紀 1合
23   菊形如意 武田友月 江戸19世紀 1柄

古九谷
 No.  指定 作品名    制作年代 
1 重美・県文 色絵布袋図平鉢 古九谷 江戸17世紀
2 県指定文化財 色絵鳳凰図平鉢 古九谷 江戸17世紀
3 県指定文化財 色絵鶉草花図平鉢 古九谷 江戸17世紀
4   色絵海老藻文平鉢 古九谷 江戸17世紀
5 県指定文化財 色絵百花散双鳥図平鉢 古九谷 江戸17世紀
6   色絵牡丹文平鉢 古九谷 江戸17世紀
7 県指定文化財 青手樹木図平鉢 古九谷 江戸17世紀
8   青手椿図平鉢 古九谷 江戸17世紀
9   青手老松図平鉢 古九谷 江戸17世紀
10   青手図罌粟図平鉢 古九谷 江戸17世紀
11 県指定文化財 青手桜花散文平鉢 古九谷 江戸17世紀
12   青手葡萄図平鉢 古九谷 江戸17世紀
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