日本画家古澤洋子氏、洋画家五味祥子氏、彫刻家山下晴子氏による三人展を開催します。 三氏は現在石川県を制作拠点として、県内はもとより国内外に発信し、展開をみせる気鋭の作家です。類い希な才能とたゆまぬ努力が求められる造形芸術の世界は、これまで男性を主体としたものでした。 しかし、近年女性作家の活躍はめざましく、なかでも三氏は独自の視座で個性溢れる作品を創作し、豊穣な世界を築き上げています。 今回の展示は近作を中心に出品を願ったもので、古澤氏からは綿々と現代に続く中世の街並みと、時空に無限の広がりを見せる山岳の景色を額装、屏風装に描く8点を、五味氏からは深化を求め変容を遂げゆく人の有様を「羽化する人」と題して描くシリーズを主体に、これまでの歩みを示す9点を、山下氏からはヌビアというエジプトからスーダンにかけて広がる地域の日干し煉瓦の家と階段のある庭から受けた強烈な感動をもとに、石と金属を複合させて新たな展開を見せる16点の出品をいただきました。 これらエネルギッシュな創作活動の結実33点を一堂に会しますと、いずれの作品にも細やかな感性がきらめき、確かな存在感と永遠なるものへの憧憬がうかがえ、今後ますますの発展が期待されます。 日本画・洋画・彫刻、ことなるジャンルの三人の競演をぜひご覧ください。