百万石大名の装い 甲冑・陣羽織 |
前田育徳会尊經閣文庫分館 |
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5月11日(水)〜7月12日(火) (6月13日〜15日は休館)
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「金沢百万石まつり」は、加賀藩祖・前田利家が賤ヶ岳の戦いの後、4月28日(新暦6月14日)金沢に入城し、金沢の礎を築いた偉業をしのんで毎年開催されていますが、その時期に合わせて、前田育徳会が所蔵する藩主代々の甲冑や陣羽織を公開する恒例の展覧会です。今回注目いただきたい作品は、二代藩主前田利長所用の「銀鯰尾形兜」です。長烏帽子・熨斗烏帽子に似ており、戦国時代に流行した変わり兜の形式の一つです。鯰は大地を揺るがすと言い伝えられており、そうした不気味な力強さで敵に打ち勝つという縁起をかついで用いられたもので、同種の兜は初代利家所用と言われるものも伝えられています。この長大な兜を被り馬に乗る武将の勇壮な姿は見事なものと言えましょう。前田家が加賀・能登・越中の三国を領有する端緒となった末森の戦いの絵巻に、前田利家とともに鯰尾形兜の利長の雄姿が描かれています。なお、この作品は当館では初公開の作品です。また、同じく末森の戦いで利家が旗印とした「鐘馗幟」は現在重要文化財になっていますが、明治時代の岸浪柳渓による模写を合わせて展示します。鐘馗は疫鬼を退け、魔除けとなる神として、武将に好まれたのです。このように二代利長から十代重教に関連する甲冑や陣羽織を中心に展示します |
No | 作品名 | 所用等 | 制作年 | 員数 |
1 | 銀鯰尾形兜 | 瑞龍公(2代利長) | 桃山16世紀 | 1頭 |
2 | 真向兎銀象嵌鐙 | 江戸17〜18世紀 | 1双 | |
3 | 加賀藩軍装図録 | 文化2年(1805) | 1帖 | |
4 | 流鏑馬図・笠懸図・笠懸馬場図・犬追物 | 江戸18〜19世紀 | 1巻 | |
5 | 騎射図 | 江戸18〜19世紀 | 1巻 | |
6 | 石目筒 | 桃山16世紀 | 1具 | |
7 | 唐桑雲龍彫鞍 | 元禄9年(1696) | 1背 | |
8 | 籠目に千鳥文銀象嵌鐙 勝尾永政作 | 江戸19世紀 | 1双 | |
9 | 瓢箪文銀象嵌鐙 木坂重宗作 | 江戸18世紀 | 1双 | |
10 | 黒塗六十二間甲冑 | 微妙公(3代利常) | 江戸17世紀 | 1領 |
11 | 紫糸威萬歳甲冑 | 陽光公(4代光高) | 江戸17世紀 | 1領 |
12 | 錠羽形甲冑 | 松雲公(5代綱紀) | 江戸17世紀 | 1領 |
13 | 黒塗筋十二間甲冑 | 護国公(6代吉徳) | 江戸18世紀 | 1領 |
14 | 鉄十六間甲冑 | 謙徳公(8代重煕) | 江戸18世紀 | 1領 |
15 | 黒塗十六間甲冑 | 泰雲公(10代重教) | 江戸18世紀 | 1領 |
16 | 唐冠形甲冑 | 太梁公(11代治脩) | 江戸18世紀 | 1領 |
17 | 五三桐文陣羽織 | 陽光公(4代光高) | 江戸17世紀 | 1枚 |
18 | 鱗形に松皮菱文陣羽織 | 松雲公(5代綱紀) | 江戸17世紀 | 1枚 |
19 | 猪目文陣羽織 | 松雲公(5代綱紀) | 江戸17世紀 | 1枚 |
20 | 鳴渡月に波文陣羽織 | 護国公(6代吉徳) | 江戸18世紀 | 1枚 |
21 | 牡丹獅子文陣羽織 | 大応公(7代宗辰) | 江戸18世紀 | 1枚 |
22 | 日の出に立波文陣羽織 | 謙徳公(8代重煕) | 江戸18世紀 | 1枚 |
23 | 市松に唐花文陣羽織 | 泰雲公(10代重教) | 江戸18世紀 | 1枚 |
24 | 日の出に立波文陣羽織 | 太梁公(11代治脩) | 江戸18世紀 | 1枚 |
25 | 紅羅紗白梅紋下唐更紗陣羽織 | 恭敏公(14代慶寧) | 江戸19世紀 | 1枚 |
26 | 鍾馗幟 岸浪柳溪 | 明治19〜20世紀 | 1旒 |