特集 生誕100年 森本仁平 展   第3展示室
  平成23年6月16日(木)〜7月12日(火) 会期中無休     
     
 
湖畔のはす田
 
 

湖畔のはす田 1995年

 
 
野の墓標
 
 

 野の墓標 1969年

 
   空の肖像    早春の岸辺  
  空の肖像 1974年                 早春の岸辺  1995年  
     


 洋画家森本仁平氏(1911−2004)の生誕100年に際し、当館所蔵品による、特集展示を行います。
 森本仁平氏は明治44年石川県加賀市大聖寺生まれ。東京美術学校師範科を昭和7年に卒業し、美術教師として岩手県一関へ赴任。その後朝鮮、東京、再度朝鮮と、いく度か転任し、20年4月朝鮮で現地召集を受け、終戦後ソ連軍の捕虜となり、シベリアへ連行されるのですが、途中脱走、1000キロを踏破して家族と合流、一関に帰るという逸話が残ります。
 戦後は一関で日本美術会一関支部を結成、日本美術会系のアンデパンダン展に出品。26年に東京に転任し、自由美術協会に出品を重ねます。この頃の作品は社会派としての制作であり、時代への批判精神が作品に漲っています。
 昭和47年、教員生活を終えて画業に専念する60歳前後から、作風は変わっていきます。外を見つめていた眼が自己の中へと向かうのです。
 49年制作の「空の肖像」は初めて写実を指向して描いた作品であり、以後は写実を基調に風景画に本領を見いだします。
 「通俗であろうと、日常的な視野の中で、事実に即した実感としての詩情を大切にしたい」と、いずれの作品も丹念な描写がなされ、広大な大気が広がるのです。黄褐色、アンバー系に画面は統一されて、春霞の頃のような暖かさを感じ、いつまでも絵を見ていたいという思いがいたします。
 本展では森本氏が社会に目を向けて描いた44年の「野の墓標」から、悠久の時を感じさせる「湖畔の舟」など平成9年の作品まで、18点の油彩作品により、静寂で敬虔な森本氏の絵画世界をご覧いただきます。

ポイント森本仁平氏略歴へポイントポイントポイントポイント
生誕100年 森本仁平 展 出品作品
作品名 制作年  サイズ 初出展 所蔵先
1 野の墓標 昭和44 F60   石川県立美術館
2 地層 昭和44 F60   石川県立美術館
3 空の肖像 昭和49 F50 第33回自由美術展 石川県立美術館
4 ミシンをかける女 昭和50 F30   石川県立美術館
5 タンクの多い工場 平成4 M50   石川県立美術館
6 早春の岸辺 平成7 M100 森本仁平展 石川県立美術館
7 大地と集落 平成7 M80 森本仁平展 石川県立美術館
8 湖畔のはす田 平成7 F60 森本仁平展 石川県立美術館
9 野焼き 平成7 F50 森本仁平展 石川県立美術館
10 冬の小川 平成7 M50 森本仁平展 石川県立美術館
11 雪のダム 平成7 M60 森本仁平展 石川県立美術館
12 花咲く砂丘 平成7 M50 森本仁平展 石川県立美術館
13 冬の林 平成7 F50 加賀アートギャラリー森本仁平展 石川県立美術館
14 雪の集落 平成9 F60 加賀アートギャラリー森本仁平展 石川県立美術館
15 牧場への道 平成9 M60 加賀アートギャラリー森本仁平展 石川県立美術館
16 一本橋と外燈 平成9 F50 加賀アートギャラリー森本仁平展 石川県立美術館
17 午后の港 平成9 M50 加賀アートギャラリー森本仁平展 石川県立美術館
18 湖畔の舟 平成9 M30 加賀アートギャラリー森本仁平展 石川県立美術館
油彩画・アクリル画
番号 作者名 作品名 元号和暦年 初出展覧会
1 奥田憲三 中世の町 昭和52年 第39回一水会展
2 鴨居 玲 望郷を歌う 昭和56年  
3 鴨居 玲 1982年 私 昭和57年  
4 高光一也 フードの女Ⅰ 昭和47年 第4回日展(改組日展)
5 硲 伊之助 アルバニアの花嫁 昭和40年  
6 判 三教 平成15年 第49回一陽展
7 藤森兼明 アドレーション・ミトロポリス 平成14年 第34回日展(改組日展)
8 堀 忠義 オランダ坂 昭和32年 第19回一水会展
9 松本 昇 聖職者 平成16年 第36回日展(改組日展)
10 南 政善 印度の女 昭和31年 第12回日展
11 宮本三郎 裸婦像 昭和14年  
12 宮本三郎 熱叢夢 昭和46年 第25回二紀展
13 吉田冨士夫 傀儡師 平成2年 第44回二紀展
トップページ前のページに戻る