特別陳列 仏教絵画   

 
第2展示室
  平成23年6月16日(木)〜7月12日(火) 会期中無休     

   仏教絵画とは広い意味では仏の像や経典の内容など、仏教に関する題材を扱った絵画をさしています。通常は、礼拝の対象とされる仏教諸尊の画像をさしており、仏画とも呼ばれます。寺院の壁画のほか、絹、紙、板に描いた絵画があり、版画等も含みます。
  仏画は諸尊や経の内容、祖師の肖像などが、定められた様式に沿ってつくられます。それでいて独特の造形や、また見る者に対して訴えかける心理的な部分をいかに表現するかを意識することも重要となってきます。作者個人の自由な創造性はそこには見つけにくく、気ままな変更も許されない独特の絵画といえます。しかしこうした厳重な制約の中にも、風土や時代、作品の芸術的感覚によって、数多くの優れた仏画が生まれ、それに対して合掌し、祈りを捧げることで深い精神性が生み出されてきました。
  仏画の歴史は、絵画の歴史そのものといえます。そして日本における仏教の歴史に深く関わっています。仏教の伝わった飛鳥時代にその歴史は始まり、次々に伝えられる新しい仏教とともに仏画の様相も変化していきました。
 飛鳥時代から平安時代前期にかけては、中国・朝鮮の大陸文化の受容と展開が見られ、平安時代後期になると、日本的な独自の表現と様式を生み出し、仏画の黄金時代を迎えます。鎌倉時代に入ると禅宗や浄土宗、日蓮宗などの新仏教がおこり、内容的にも写実的で多種多様で変化に富む様相を示します。しかし鎌倉時代末期以降には、仏教絵画は次第に絵画史の主流を外れることとなり、遺される作品も減少していきました。
 本展では、石川県指定文化財を中心に当県に伝わる仏画を紹介します。


番号 指定 作品名 年代 所蔵先
1 金沢市文 涅槃図 室町 高巌寺
2 石川県文 千体仏図 室町 大乗寺
3   十六善神図 室町 大乗寺
4   十三仏図 江戸 大乗寺

5

石川県文 明画十六羅漢図 總持寺祖院

6

石川県文 十六羅漢図 江戸 大乗寺
7 石川県文 真言八祖像 室町 正覚院
8 金沢市文 弘法大師画像 南北朝 真福院
9 金沢市文 愛染明王画像 鎌倉 平岡野神社
10 石川県文 両界曼荼羅図 南北朝 金蔵寺
11 石川県文 阿弥陀三尊来迎図 鎌倉 西念寺
12 金沢市文 阿弥陀三尊来迎図 南北朝 如来寺
13 石川県文 白山曼荼羅図 江戸 能美市
14 石川県文 明峯素哲画像 室町 大乗寺
15 石川県文 大智禅師画像 室町 鶴林寺
16 金沢市文 恭翁運良画像 江戸 傳燈寺
17   光明本尊 室町 林西寺
18 石川県文 親鸞聖人絵伝 室町 専稱寺
古九谷 
1 石川県文 色絵布袋図平鉢 江戸17世紀 1口
2 石川県文 色絵鳳凰図平鉢 江戸17世紀 1口
3 石川県文 色絵鶉草花図平鉢 江戸17世紀 1口
4 石川県文 色絵百花散双鳥図平鉢 江戸17世紀 1口
5 石川県文 青手樹木図平鉢 江戸17世紀 1口
6 石川県文 青手桜花散文平鉢 江戸17世紀 1口
7   色絵宝尽鷺文平鉢 江戸17世紀 1口
8   色絵牡丹文平鉢 江戸17世紀 1口
9   青手椿図平鉢 江戸17世紀 1口
10   青手老松図平鉢 江戸17世紀 1口
11   青手松竹梅文平鉢 江戸17世紀 1口
12   青手葡萄図平鉢  江戸17世紀 1口
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