特集 長谷川等伯とその周辺

 
第2展示室
  平成23年5月11日(水)〜6月12日(日) 会期中無休     

 昨年は、長谷川等伯の没後400年にあたったことから、東京と京都で大規模な回顧展が開催され、等伯を再認識する機運が全国的に高まりました。石川県立美術館は長谷川等伯の作品を所蔵していませんが、等伯と号する前の信春時代の重要な作品である、石川県指定文化財「十六羅漢図」(霊泉寺蔵)と「日蓮聖人像」(実相寺蔵)が寄託されています。この2点は、先の回顧展をはじめ全国から借用の要望が多く寄せられることから、文化財保存の観点からも、全幅そろって石川県立美術館で同時に公開する機会が近年ありませんでした。
 そこで今回の特集では、「十六羅漢図」全八幅と、等伯が27歳の時に描いたことが確実視されている「日蓮聖人像」をあわせて展示し、等伯の画業展開の一端を紹介したいと思います。興味深いのは「十六羅漢図」の制作時期です。「日蓮聖人像」と比較すると、「十六羅漢図」には人物描写を数多くこなした習熟のあとがうかがえると言うことができるかも知れません。また「十六羅漢図」に描かれた岩の表現には、等伯と号するようになって制作された作品と共通する手法が認められます。したがって、信春から等伯への移行期の作品と位置付けることもできるでしょう。


番号 指定 作品名 作者名 年代 所蔵先
1 七尾市文  日蓮聖人像 長谷川信春(等伯) 室町16世紀 実相寺
2 県文 十六羅漢図 長谷川信春【等伯) 室町〜桃山16世紀 霊泉寺
3   柳橋水車図 長谷川派 江戸17世紀 大乗寺
4 県文 十六羅漢図 長谷川左近 江戸17世紀 大乗寺
5 県文 松樹禽鳥図 狩野永徳 桃山16世紀 個人
古九谷 
1 県文 色絵布袋図平鉢 江戸17世紀 1口
2 県文 色絵鳳凰図平鉢 江戸17世紀 1口
3 県文 色絵鶉草花図平鉢 江戸17世紀 1口
4 県文 色絵百花散双鳥図平鉢 江戸17世紀 1口
5 県文 青手樹木図平鉢 江戸17世紀 1口
6 県文 青手桜花散文平鉢 江戸17世紀 1口
7   色絵宝尽鷺文平鉢 江戸17世紀 1口
8   色絵牡丹文平鉢 江戸17世紀 1口
9   青手椿図平鉢 江戸17世紀 1口
10   青手老松図平鉢 江戸17世紀 1口
11   青手松竹梅文平鉢 江戸17世紀 1口
12   青手葡萄図平鉢  江戸17世紀 1口
前のページに戻る