花鳥の美−絵画と工芸−

第2展示室
  平成23年4月24日(日)〜5月8日(日) 会期中無休     

 今冬の寒くて長い冬にようやく終わりを告げ、自然の息吹に確かな春の訪れを感じられるようになりました。日本人は四季の移り変わりにとても敏感で、自然に対して心からの畏敬の念を持つとともに、そうした自然観を絵画や工芸にストレートに表現してきましたが、今月の古美術展示室では、桜と牡丹を主要モチィーフとして様々に表現された春を紹介いたします。
 日本の花の代名詞ともなっている桜は、春を象徴する花でもあります。それは春四月が日本では年度の変わり目であり、そうした人生の大きな節目の時期と重なることが大きな要因といえましょう。冬の寒さの中でエネルギーを蓄え、全生命力をかけて美しい花を咲かせる営みに、人の世の道標と捉えることもできるのではないでしょうか。一方の牡丹は中国では唐の時代より「花の王」として愛でられたといわれ、「富貴草」「富貴花」「深見草」「忘れ草」など種々の名前が付けられており、気品ある美しさは美人の象徴ともされています。
 兼六園のお花見を兼ねて美術館へもお立ち寄りいただき、日本と中国の美意識から生まれた絵画、陶芸、漆芸の作品を通して春の息吹を感じていただければ幸いです。


No
指定
作品名
作者等
員数
1
青手桜花散文平鉢
古九谷
1口
2
 
松浜図屏風
   
6曲1双
3
 
蒔絵桜に笈図硯箱
1合
4
 
管弦舟遊図
板谷慶舟
2幅
5
 
蒔絵梅椿若松図重箱
尾形光琳
1重
6
 
蒔絵草花丸文花見弁当
山本春正
1具
7
存星梅竹双鳥図輪花盆
1枚
8
 
交趾大牡丹香合
1合
9
 
交趾金花鳥香合
1合
10
 
白地黒花牡丹文壺
1口
11
 
褐釉花文瓶
1口
12
 
郭子儀花鳥図
狩野栄信
3幅
13
 
青手牡丹図平鉢
古九谷
1口
14
 
色絵牡丹図平鉢
古九谷
1口
15
 
四季草花図屏風(春夏)
6曲1隻
16
 
蒔絵春秋花卉図硯箱
伝五十嵐道甫
1合
17
 
蒔絵百合文棚
1基
古九谷
1
色絵布袋図平鉢
古九谷
   
2
色絵鳳凰図平鉢
古九谷
   
3
色絵鶉草花図平鉢
古九谷
   
4
色絵百花散双鳥図平鉢
古九谷
   
5
色絵宝尽鷺文平鉢
古九谷
   
6
   
色絵海老藻文平鉢
古九谷
   
7
青手樹木図平鉢
古九谷
   
8
 
青手松竹梅文平鉢
古九谷
   
9
   
青手罌粟図平鉢
古九谷
   
10
 
青手椿図平鉢
古九谷
   
11
   
青手老松図平鉢
古九谷
   
12
   
青手葡萄図平鉢
古九谷
   
   
□は石川県指定文化財

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