特集 開 光市 展−ギガースの彷徨
第3展示室
  平成22年10月28日(木)〜11月28日(日) 会期中無休         
     
 
開作品 変奏曲
 
 
開光市作 変奏曲 平成19年
 
     
 

 開光市氏の特集展示を行います。開氏は昭和33年金沢市に生まれ、金沢美術工芸大学大学院を59年に修了。在学中より国画会展に入選し、数々の受賞を経て、若くして国画会員となった俊秀です。現在、日本洋画壇において最も強烈な輝きを放つ画家の1人といえましょう。
 当館所蔵品を中心とした油彩8点で構成しますが、縦・横3m×7m、3m×9mなど、1点1点が非常に巨大です。これらの作品を見れば、まずその大さに圧倒され、異形の巨人が横たわる怪奇な画面に驚き、そして近づくにつれて、その精緻きわまりないマチエール(絵肌のテクスチャ)に魅了されることになるでしょう。巨大な画面を間断なく描ききる構成力と微細なマクロの世界にさまようかの複雑で美しい絵肌。遠くから見ても間近で見ても存分に味わえる作品群です。
 平成元年の「装置」から19年の「変奏曲」まで、国展や日動画廊での個展出品作を順に見ていきますと、この画家が人体の変容を起点に、怪異な巨人達に姿を仮託して、救いを求めての流浪潭を描いているのだという感がいたします。
 サブタイトルを《ギガースの彷徨》といたしました。ジャイアント(巨人)の語源となったギガースは、ギリシャ神話に出てくるゼウスに滅ばされた巨神達で、上半身は人、下半身は大蛇の姿をしていたと伝えられます。開氏の描く巨人も胴体が異様に長く、尾を持っていたり手が数本あったり、あるいは巨大な頭が逆さまになっていたりと多彩な姿で描かれます。しかし、いずれもが怪異でありながら悲しみを帯びています。
「人」とは何なのだろう。どう歩めばいいのだろう。そうした思いがこれらの大作に込められているのだと感じるのです。
 開氏の幻想あふれる絵画世界をご堪能ください。

 
     
風に吹かれて
装置 平成元年
遠い影
 

       見えない三つの音 平成17年   

 
     
 
ポイント開 光市氏略歴へポイントポイントポイント
 
     
特集 開 光市 展−ギガースの彷徨
作品名 寸法 制作年 初出展覧会
1 夏の模様 259cm ×193.9cm 昭和63年 第12回中日展
2 装置Ⅱ 193.9cm×259cm 昭和63年 第63回国展
3 装置 160.7cm×192.7 cm 平成元年  
4 架空の地図 162 cm ×388cm

平成14年

平成15年 日動画廊個展
5 227.3 cm×560cm 平成14年 平成15年 日動画廊個展
6 見えない三つの音 184 cm × 460cm 平成16年 平成17年 高島屋個展
7 青い空気 291 cm × 873cm 平成17年 平成19年 日動画廊個展
8 変奏曲 291 cm × 655cm 平成19年 平成21年 日動画廊個展
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コレクション展示
No. 作者名 作品名 制作年 展覧会・受賞
1 円地信二 毛皮の椅子 昭和59年 第70回光風会展
2 鴨居 玲 望郷を歌う(故高英洋に) 昭和56年  
3 鴨居 玲 1982年 私 昭和57年  
4 高光一也 カサブランカ 昭和50年 第7回改組日展
5 竹沢 基 若い客 昭和57年 第14回改組日展
6 中村研一 家居 昭和36年 第47回光風会展
7 松本 昇 聖職者 平成16年 第36回改組日展
8 南 政善 インドネシアの女 昭和29年 第10回日展
9 宮本三郎 熱叢夢 昭和46年 第25回二紀展
10 吉田冨士夫 交霊術・HARP 平成8年 第50回記念二紀展第50回記念賞