近世絵画名作選

 
第2展示室
  平成22年6月17日(木)〜7月19日(日) 会期中無休     
  室町時代に書院造建築が発達したことを受けて、寺院や城郭において書院の空間的位置が格を決定するという考えが浸透していきました。そこで、書院を間仕切る重要な調度である襖や屏風に対して、それぞれの格にふさわしい画題や表現が求められました。それにともない、個人ではなく集団で効率よく発注者の意図を汲んで制作する狩野派などの流派が勢力を伸ばしました。やがて織田信長や豊臣秀吉ら天下を見据えた強烈な個性を持つ武将の出現により、彼らの思いを投影するかのような絢爛豪華な大画様式が誕生し、絵画表現も大きく変革しました。
  しかし徳川氏による幕藩体制が強化されると、桃山時代の開放的な様式は退潮し、特に公的な空間に描かれる画題や画風が定式化されてゆきます。幕府の御用絵師を輩出し、画壇の頂点に君臨した狩野派はそうした時流に巧みに乗り、江戸時代の絵画の在り方に大きな影響を与えました。その一方で、琳派など狩野派とは一線を画す新たな造形運動も生まれ、広く支持されてゆきました。
  このように、室町時代末から桃山時代を経て江戸時代に至る時期は、日本絵画が歴史的に注目すべき展開を遂げました。今回の特集では展示件数は少ないながらも、特徴的な作品を選んでご紹介します。
No 指定 作品名 作者名 年代  
1   鷹図   江戸17世紀 1幅
2 県文 松樹禽鳥図 狩野永徳 桃山16世紀 6曲1双
3 県文 柳鷺図 狩野尚信 江戸17世紀 6曲1双
4 重美 四季耕作図 久隅守景 江戸17世紀 6曲1双
5   四季耕作図   江戸17世紀 6曲1双
6   倭名所図 狩野即誉 江戸19世紀 2巻
7 金沢市文 浅の川四季風景之図 佐々木泉景 江戸19世紀 1巻
8   草花図短冊 中村芳中 江戸18〜19世紀 37枚
古九谷 
1 県文 色絵布袋図平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
4 県文 色絵鳳凰図平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
3 県文 色絵鶉草花図平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
4 県文 色絵鶴かるた文平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
5   色絵花鳥図台鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
6   色絵牡丹文平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
7 県文 色絵百花散双鳥図平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
8   色絵石畳双鳳文平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
9   青手老松図平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
10 県文 青手樹木図平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
11 県文 青手桜花散文平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
12   青手菊文台鉢 古九谷  江戸17世紀 1口
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