百万石大名の装い |
前田育徳会尊經閣文庫分館 |
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5月20日(木)〜7月19日(月・祝) (6月14日〜16日は休館)
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天正11年(1583)6月、藩祖前田利家が金沢へ入城しました。その時期に合わせた恒例の甲冑と陣羽織の展示です。今回は前田家歴代藩主所用の甲冑・陣羽織のほか、鞍・鐙などの武具を「百万石大名の装い」と題して紹介します。 古くより、戦にあって身を守るべく様々な甲冑がつくられてきました。日本的な甲冑が生まれたのは平安時代で、源平の争う時代には大鎧とよばれる弓矢に対応した鎧が主流でした。戦国時代には槍が普及し、鉄砲がもたらされたこともあって、その戦闘方法が密集隊形による徒歩集団戦へと変化することになりました。こうした戦いの中で、機敏な動きをするためにより軽い甲冑が求められ、さらには攻撃する武器が多様化し、また強力化したことにともない、防具である甲冑の変化も促され、より頑丈なものが求められました。 このような時代背景から、これまで作られてきた甲冑の様々な要素を組み合わせて、総合的に構成し生まれたのが当世具足です。「当世」とは今の世、「具足」とは、装具がすべて備わっていることをあらわし、防護機能が完備した現代風の鎧という意味で名付けられました。従来は大鎧、胴丸、腹巻などがそれだけで成り立っていたのに対して、当世具足は兜・面具・胴・袖と籠手・臑当・佩楯の七具すべて皆具している点が特徴です。 |
No | 作品名 | 所用等 | 作者名 | 員数 |
1 | 六十二間筋兜 | 信貞 | 1頭 | |
2 | 六十二間星兜 | 信家 | 1頭 | |
3 | 石目筒 | 2丁 | ||
4 | 黒皺革包総角文蒔絵鞍 | 1背 | ||
5 | 猿置文鞍 | 1背 | ||
6 | 黒塗梅折枝透鐙 | 1双 | ||
7 | 牡丹に唐草柳に燕象嵌鐙 | 1双 | ||
8 | 籠目に千鳥文銀象嵌鐙 | 1双 | ||
9 | 霞に雲文銀象嵌鐙 | 1双 | ||
10 | 黒塗六十二間甲冑 | 微妙公(3代利常) | 1具 | |
11 | 錠羽形甲冑 | 松雲公(5代綱紀) | 1具 | |
12 | 黒塗筋十二間甲冑 | 護国公(6代吉徳) | 1具 | |
13 | 黒十六間甲冑 | 謙徳公(8代重煕) | 1具 | |
14 | 黒塗十六間甲冑 | 泰雲公(10代重教) | 1具 | |
15 | 菖蒲革包頭巾甲冑 | 太梁公(11代治脩) | 1具 | |
16 | 鉄六十四間甲冑 | 温敬公(13代斉泰) | 1具 | |
17 | 鉄百二十間甲冑 | 恭敏公(14代慶寧) | 1具 | |
18 | 五三桐文陣羽織 | 陽光公(4代光高) | 1領 | |
19 | 蕨手文陣羽織 | 松雲公(5代綱紀) | 1領 | |
20 | 鳴渡月に波文陣羽織 | 護国公(6代吉徳) | 1領 | |
21 | 牡丹獅子文陣羽織 | 大応公(7代宗辰) | 1領 | |
22 | 市松に唐花文陣羽織 | 謙徳公(8代重煕) | 1領 | |
23 | 五岳文字に金雲紋陣羽織 | 太梁公(11代治脩) | 1領 | |
24 | 日の出に立波文陣羽織 | 温敬公(13代斉泰) | 1領 | |
25 | 丸龍に八卦文陣羽織 | 恭敏公(14代慶寧) | 1領 | |
26 | 甲州四将図 | 4曲1隻 |