前田家の雅

前田育徳会尊經閣文庫分館
  平成23年1月4日(火)〜2月7日(月) 会期中無休    
 本年のNHK大河ドラマ「江 〜姫たちの戦国〜」が始まります。桃山時代から江戸時代という激動の転換期に、波瀾万丈の人生を送ることとなった女性・江の生き方を通して、女性の視点からその時代と女性を検証するドラマのようです。このように女性が大きくクローズアップされる今日でもありますので、そのトレンドにあわせて、前田家の姫たちに焦点をあてた作品を公開します。
 前田家では、徳川将軍家からの輿入れが多々ありましたが、将軍家にとって、大藩で外様大名の前田家を配下とするために、必要不可欠の方法でした。最初が三代藩主利常へ二代将軍秀忠と江の二女珠(天徳院)が、次に四代光高に家康の孫で水戸の徳川頼房の二女阿智が、五代綱紀に保科正之の二女で二代将軍秀忠の孫磨須が、六代吉徳に五代将軍綱吉の養女松が、十三代斉泰に十一代将軍家斉の二十一女偕子(溶姫)がそれぞれ輿入れしています。
  現在、婚礼調度としてまとまっているのは溶姫所用のもので、この中から、十二手箱・歯黒箱などを展示します。なお、現在の東京大学の赤門は、文政10年(1827)11月、溶姫を迎えるに際し、御守殿門として作られたものです。その他、「姫君入輿行列図」や利常の四女富姫の遺愛品の「女三十六歌仙色紙雉図屏風」、さらには香道具や名物裂をあわせて展示しますので、新春のひとときを美術館でお過ごし下さい。
No. 作品名 筆者 時代 員数
1 寿老鶴図 佐々木泉景 弘化2年(1845) 江戸 3福
2 姫君入輿行列図   江戸19世紀 2巻
3 女三十六歌仙色紙雉図屏風   江戸17世紀 6曲1双
4 重玄硯   明14〜17世紀 1個
5 七宝硯屏   明14〜17世紀 1個
6 象牙朱塗軸筆     1個
7 銅獅子筆架   明14〜17世紀 1個
8 銅福禄寿文鎮     1個
9 銅兎水入     1個
10 作土形草花文様金襴(大鶏頭金襴)   宋10〜13世紀 1枚
11 入子菱繋ぎ地花兎文様金地金襴   明14〜17世紀 1枚
12 作土形花兎文様金襴   宋10〜13世紀 1枚
13 入子菱繋ぎ地宝尽し文様金地金襴   明14〜17世紀 1枚
14 雲珠繋ぎ鳥丸文様金襴(雲雀金襴)   明14〜17世紀 1枚
15 蓮池水禽文様金襴   明14〜17世紀 1枚
16 文入り段替り文様緞子(万暦緞子)   明14〜17世紀 1枚
17 吉祥文入り菱入り斜格子文様緞子   明16〜17世紀 1枚
18 斜石畳地霊芝文様緞子   明14〜17世紀 1枚
19 雑宝入り石畳雲龍丸文様錦   明14〜17世紀 1枚
20 村梨子地唐松唐草御紋蒔絵十種香箱   江戸18〜19世紀 1式
21 黒塗菊折枝蒔絵十種香箱   江戸18〜19世紀 1式
22 黒塗秋草蒔絵香割道具   江戸17〜18世紀 1点
23 桑十組盤   江戸17世紀 1点
24 四種盤   江戸17世紀 1点
25 熨斗水引文蒔絵広蓋   江戸18世紀 1枚
26 花車文蒔絵広蓋   江戸18世紀 1枚
27 桜樹幔幕文蒔絵広蓋   江戸18世紀 1枚
28 葵文蒔絵調度品 十二手箱   江戸19世紀 1合
29 葵文蒔絵調度品 歯黒箱   江戸19世紀 1合
30 葵文蒔絵調度品 渡金箱   江戸19世紀 1合
31 葵文蒔絵調度品 眉作箱   江戸19世紀 1合
32 葵文蒔絵調度品 櫛箱   江戸19世紀 1合

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